(8)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その8

一話目
二話目
三話目
四話目
五話目
六話目
七話目




花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。




『お花レモンちゃん』一家全員が、スマホに集まって『ぬいぐるみ 洗濯 干し方』の検索をして読んだ。

ピンクの芋虫のぬいぐるみは、2回洗濯機で洗って、やっと除草剤の危険な匂いがしなくなった。

「洗濯ばさみでは挟まないんだってさ。」
「洗濯ネットに入れて、陰干し 」
「服みたいにお日さまでポカポカにさせてあげないの 」
「そういえば洗濯ネットってなあに 」
「100均で売ってる軽~い網よ。あのコップ買ったお店。ネットを買ってなかったわね……。」

姉弟たちは口々に話し合いながら、洗濯物の扱い方を理解していった。

「そうだ……」『オシベ』が思い出した。

「新聞始めた時にただでもらったフロシキ あれを洗濯ばさみで吊るして、その中に芋虫を寝かせてあげる

芋虫のぬいぐるみは、姉弟たちに見守られながら、フロシキのハンモックに寝かされ、綿の中まで乾く日を待つことになった。

「『オシベ』たち、危険な薬剤ついてたぬいぐるみが相手だったのに、よくここまで頑張ったよね。ぬいぐるみの洗濯は大変だったけど、だれも、新しいぬいぐるみにしようって、言わなかったよね。」

『お花レモンちゃん』の話に弟妹たち全員が当然の顔をしていた。

『オシベ』「だって、『ヨウヨウ』が選んだ大事な物だから。まずなんとかしてあげたいから。新しいのはいらない。」
『セント』「いらない。」
『ネクタ』「私もいらない。」
『ヨウヨウ』「ニャンニャイ 」

『ヨウヨウ』はフロシキ越しに、まだ洗濯の「治療」が終わらないぬいぐるみを見上げた。見上げながら『お花レモンちゃん』お姉ちゃんの膝に絡みついて、寂しさをこらえていた。

『お花レモンちゃん』は『ヨウヨウ』のつぼみの上から頭をなで続けた。




『オシベ』は弟妹たちを代表するように、控えめな声で、『お花レモンちゃん』に頼みごとをしてきた。

「お姉ちゃん、少しお金が欲しいんだけど。」
「少しっていくらかしら。」
「……。」「………。」
「一円が何枚かしら。十円かしら。百円かしら。それとも千円かな。」
「……わかんないの。」『ネクタ』が答えた。

「じゃあ、その欲しい物の値段が分かるように、お店で見てきたらいいんじゃないかしら。値段の数字を書いて、覚えて、帰ってきて知らせてね。そしたら私が出して上げられるお金かどうかが分かるから。」

『お花レモンちゃん』は、裏面が真っ白な使わないチラシを切って、ボールペンと一緒に『セント』に渡した。

『オシベ』は、弟妹たちを代表してスマホを管理している。

役目は一人に集中しない方がいい。『オシベ』はスマホを管理しながら指示を出して、『セント』が値段を書き取って、『ネクタ』が、その値段の分からない目的の商品を探す、ぐらいが良いんじゃないかと『お花レモンちゃん』は弟妹たちに話した。

みんなで分担して大切な物を管理して、みんなでお互いを見守り合うと、落としたとか、置き忘れたとか、スリに会ったなどのトラブルを防げるだろう。そしたら弟妹たちも自分を守るのが上手くなって、人間社会の失敗に強くなるのではないかと『お花レモンちゃん』なりに考えた。

そうしたら、今日は留守番していた『ヨウヨウ』と『メイメイ』も見て、やがて同じことを学んで身に着けて、兄と姉たちを追い掛けて強くなる。なって欲しい。

その日、調べてきた値段を聞いて、『お花レモンちゃん』はそれに近い額の現金を弟妹たちに渡した。

「それで、みんな何を買いたいの 」

やっと聞いた頃には、弟妹たちは全員、外出の疲れでぐっすり寝入っていた。





『お花レモンちゃん』は、仕方なく会社のビルの壁回りの雑草取りを始めた。

取る前、退勤後に会社の近くに流れる川の川沿いにある公園に来た。

いつも会社の窓から、白い煙の上がる公園が見えていた。ので、仕事以外の時間を使って『お花レモンちゃん』は探していた。

あった バーベキューをやった跡だ。しばらくは草が生えられないぐらい地面が焦げている。

会社の燃えないゴミ置き場には、錆びて忘れられたスコップがあった。そこを耕す。ほぐした土に空気を含ませた。雨が降って、柔らかい土の中にたくさんの水が浸み込んだ。

次は段ボールを用意すると、ビルの壁回りから雑草を根ごと掘り返した。段ボールに溜まった雑草は、『お花レモンちゃん』が耕した公園の地面に、植え替えられていった。

植物を殺したくない『お花レモンちゃん』。


四角いビルの三辺の草取りが終わり、あと一辺を残すのみになった日だった。

オフィスの扉バーン  デスクバーン

「『お花ちゃん』公園へ行ってなにやってんですか


『お花レモンちゃん』、仕事の手を止めて、身を固くして直立する。そうするしかない。


プリッコの後ろから、面倒くさそうな上司たちも付いてきた。

「うちのー、会社にー、泥を付けるー……可能性のある……ハーックション……可能性……ハックション……のある行動を……ハックション 」

「しろと言った……ヘックシ……社員はいないわけで……クッシュン、あってだねぇ……」

早く話したくてたまらないプリッコは、上司の横から割って入って話すチャレンジャーだ。

「ねえねえ『お花ちゃん』、上司の人たちの言っている話、分かってますか なに指導されてるか、意味わかってる 日本語通じてますか 」


オフィスの隅から、社員のささやき合いが始まる。

「うちの会社って、日本語通じ合ってる人たちって、いたのかしら……
「ヘックシッ………その前に日本語が通じ合わなくても、………クッシュン………日本っていう国って回ってるんだね。」


「不審な行動を取るなと言っているんです SNSの時代なのよ 植物星人が公園でスコップ使ってるの気持ち悪いでしょう 撮影されて警察が会社に来たらどうするの これから監視カメラも付く時代になっていくって言われてるのよ 『お花ちゃん』は勝手に逮捕されればいいけど、会社がどんなに恥ずかしい思いするのか理解できてますか 」

プリッコは騒ぐ。顔の皮膚が上へ、上へ、吊り上がって痙攣する。汗が湧き出す。プリッコの脚はスワロフスキー光るヒールサンダルで、床を踏み鳴らせない。そこで抜け切らない怒りが全て上半身に集まっていくような殺気を発している。


ささやき合いは続く。

「恥ずかしいんだー。………ハクション……プリッコも警察呼ばれ………ハックション………た時やっぱり恥ずかしさがあったのかな。」
「……クッシュン………知らなーい。」


「すみませんでした。すみませんでした。」

人間の言うことは丸ごと全部、肯定した会話をしなければならない。


植物星人だから。


植物星人だから。





昼休憩。給湯室で、プリッコの婚活ニュースが流れた。

「午前中にパイロットが『会いたいです』って返事して来たって。プリッコに。」

「マジかー。それ本物のパイロットー 」

「えーすごーい。興味無ーい。棒読みー。」

『会いたい』とパイロットが返事をしてきたのは5人だそうだ。自分は国内トップ5、に入った、栄えあるエリート女子なんだと、プリッコは自己顕示欲が天高く舞い上がっているらしい。

「でもそれはそれで、また人格豹変するんじゃない 最近の医学じゃ、正しくは人格って使わないらしいけど、難しいこと知らねーし。」

「面倒くさい。」
「分かんない。」
「園に子ども迎えに行くしー。仕事の努力以外のことでわずらわされてらんないよ。」
「帰りたい。定時に帰りたい。」
「うちだって娘夫婦と孫と夕ご飯食べるんだからね 定時に仕事終わらすために長年自分で覚えてきた要領っていうものがあるのよ。今更邪魔しないでもらいたいわ 」
「普通にお勤めしたーい。」


オフィスに社員がまばらになった昼休憩中。『お花レモンちゃん』は『オシベ』のスマホにメールを打った。

『ごめんね。今夜は帰りが遅くなります。暗くなってから家に着きます。先にみんなで水を飲んで、シャワー浴びて、寝ててください。ヨウヨウの哺乳瓶にも水を入れて持たせてあげてくださいね。ごめんね。』





午後。すでに午後の仕事を始めていた『お花レモンちゃん』の横に、プリッコが腕組みをしていつの間にか立っていた。

「『お花ちゃん』私の気持ち解かってる みんなの気持ち通じてる 」

すぐに午前中のように『お花レモンちゃん』は立ち上がり、その場に直立してから頭を下げた。

「すみませんでした。」

プリッコはいつものように黄色い声を上げた。

「その謝るの腹立つ 」

以前のヒステリーと違うのは、化粧直しが完璧に決まっていたことだ。髪の内巻きも抜かりない。

「人間てね、歴史が長いから、人と人とが力を合わせないと生産が出来ないって知ってるの。だから農業して食物作ったり、機織りしたり、商売して食物や服を他の土地にも流したり、医者がいたり、お姫様がいたり、侍女がいたりして、みんなで循環させてきたのよ。」

「はい。」

難しい話が始まった。『お花レモンちゃん』は当然、否定や質問をしないで黙って聞き続けるしかできない。

オフィスの中は、聞き耳を立てる人たちで一時、静まったが、間もなく、止められないくしゃみがまた始まった。

「協力の仕方を知ってるの。それが人間なのよ。そんな人間の中で植物星人も働かせてもらえてるじゃない 不幸なこと  幸せなこと どちらか答えなさい。」

「幸せなこと………ですか? 」

仕方なく、まことにもって仕方なく、『お花レモンちゃん』は誘導された答えを答えた。

「ふざけんなって言ってるのよ 」

ガーン

いつの間にかスワロフスキーのヒールサンダルを脱いだ片足が、側面で『お花レモンちゃん』のデスクの壁面を蹴っていた。

「自分の感情よりもプリたちの迷惑を先に考えたら、そんな言葉は出てこない 今の返事は本当に傷ついた 植物星人は謝ってるふりして人間たちのことを見下していたんだ 自分の感情で社会は回らないのよ 仲良くして欲しいって願いなさい 認められたいって求めなさい 」

再び『お花レモンちゃん』の花びらは掴まれ揺すられた。

顔と花びらの間からストレス性の花粉がシュワーッ…………

「もっと必要とされたいって求めなさい 人間が許してくれないと植物星人は生きられないんだよ どうしてもっと追いすがらないの 怯えて生きなさいって言われてもいい生き物たちなのよあんたたちは 這いつくばってひもじがって情けを乞いなさい そこまで裏切られているなんて思ってもいなかった いつか核兵器で人間たちに復讐するんでしょ 今はするつもり無いかもしれないけど絶対するんでしょー 」

ガーンガーンガーン

デスクの壁面が少しへこみ、やがて折れ曲がり、ますます(く)の字にへこんでいった。

赤く吊り上がったプリッコの顔面は、留まることなく左右に引きつり続けた。まるで、顔が左右に割れて、中から『中の人』がもう一人出てきそうな容貌は、オフィスの社員たちから見て、国内トップ5に勝ち上がってきたお姫様 の戦いを続けられるようには見えなかった。





『お花レモンちゃん』は、残業して、停止した仕事を片付けてから、最後に残ったビルの壁ぎわの雑草を取って、公園に植え替えをした。

「太陽に当たれる時間にしてあげたかったけど、ごめんね。暗くないとどうしても無理だったの。元気でね。」

公園の雑草たちにお別れを話して、『お花レモンちゃん』は家に帰った。


『オシベ』『セント』『ネクタ』『ヨウヨウ』は寝ないで待っていた。「おかえりー 」

『お花レモンちゃん』は、帰り道でペットボトルの水を飲んで来たが、もう一回、弟妹たちの汲んでくれた水を飲んで、『メイメイ』が殻の中で足を動かしていた話を聞き、シャワーを浴びた。

そして電灯を消した。

本物の幸せな夜が来るとしか思えなかった。


バーン ドカーン

部屋を暗くしたまま、『オシベ』が壁に身を隠しながら、カーテンをわずかにめくって外を確認する。

『セント』は『お花レモンちゃん』を、『ネクタ』は『ヨウヨウ』を子ども部屋に入れてから、『オシベ』の知らせを待っていた。

「ガラス、割れてない 飛散防止フィルムにガラスがベッタリ貼り付いたまま 」

「ぃやったああぁー

「お姉ちゃん ガラスの飛散防止フィルムで、危険なの持った人はうちへ入れないよ 」

『セント』が、お金の使い道を明かした。

まだ暗がりで外をうかがっている『オシベ』が指示を出した。
「『セント』『ネクタ』、次 」

眠ってる『メイメイ』を抱いたまま、『ネクタ』がスマホを持ってトイレへ入った。

『危険なのを持った人』は、フィルムで破れないガラスを殴り続けていた。『オシベ』はなにかを押し付けて対抗していた。

玄関の下駄箱から外した扉を、盾の代わりに使っていたのだ。

『お花レモンちゃん』の胸には、弟妹たちの成長と勇気と機転に、なんとも言えない感動が湧きあがっていた。なんて強くなったんだろう なんて賢くなってきたんだろう

5分後、パトカーが到着した。





翌日。

つまり通報は知らないので、『お花レモンちゃん』は、通報では会社にとがめられなかった。


警察から連絡が入って、不快が限界になった上司たちに、プリッコが放り出した仕事の案件や、こじれた話の確認が次々に入ってきた。

全部部下たちや、『お花レモンちゃん』に振って押し付けようとしても、案件によっては先方があり、上司の対応じゃないと納得しない人たちも出てきた。

上司たちは苦し紛れに、会社が契約している産業医を呼んだ。

少なくとも教養のある医者なら、プリッコに解りやすく話をしてくれるだろうと当てにした。

産業医は、ベテランで貫録のある体を装った、中年のお爺ちゃんだった。

「………で、その植物星人が、人間たちに協力的な態度を取らなくて 傷ついて それは可哀想だねえ。分かるよ。分かるよ。」

「プリは忙しいんです。プライベートで忙しいことを抱えているんです。私生活も大事にするのが、労働者の権利でしょう 」

「うんうん。で、植物星人が憎くてたまらない、まではお話分かったんだよね。なら、受け持ってるお仕事もしてから、植物星人にもう一回お話を」

「お話じゃないです。生易しい話にしないでください。指導と叱責でしょう 」

「あっ、そうね。そうね。」

「プリは被害者なんです 」

「そうね。そうね。で、会社の人たちにも、協力してもらわないと、こういう話って、聞き入れてもらえないものなんだよ。だからね、受け持った仕事は仕事で、ここ長いんだから、ちゃんとやって、会社の人たちから信頼も………」

「長いって聞きたくないです 」

「あっ、そうね。そうね。ごめんね。優秀ね。優秀なんだから、仕事で、信頼増やして、」

「信頼なんて聞きたくないです。プリがみんなに好かれてないみたいじゃないですか 傷つきました プリはプリらしく可愛らしく会社のアイドルしてきたからなにも問題は無いですよ 」

「あっ、そうなのね。そうね。そうね。問題無いアイドルなのね。分かりましたよ。だから、アイドルはアイドルで自分で続けて、それから、みんなもお仕事で生活しているんだから、お仕事も、優秀な社員として完成させましょう。自他の区別、付けながら、植物星人と共存するための指導もしていけばいいじゃないですか。」

「どうして分かってくれないんですか 」

「分かってないとは。」

「プリは今、植物星人が気持ちを分かってくれなくて悲しいって言ってるんです  被害者なんですぅ どうして一緒に植物星人を憎んでくれないんですか 除草剤で枯らしてしまおうね、とか、焼き払ってしまおうね、とか、もっとプリの気持ちに味方になってくれる言葉をどうして言ってくれないんですか 」

「あっ、そうね。そうね。ごめんね。分かりづらくてごめんね。会社には、私生活の生活で来てるわけじゃないから、仕事もしながら、植物星人のこともみんなと協力してしましょうって、それだけなんだけどね。ほらわたくしもね、プリさんのファン、とかでプライベートで来てるんじゃなくって、医者として、呼ばれたから来て話してるから。自他の区別ってね、そのへんの人間はみんな付けているんだよねぇ……」

お医者はかなり諭す作業が苦しくなってきていた。

「高齢のファンはいりません。お断りします プリはそのへんの人間とは一緒にされたくありません 」

「あっ、そうね。そうね。そうなんだ。」

「そんなに自他の区別を押し付けるんなら、業務で自他を区別したら、給料に還元されるんですか 」

「あっ、そうね。そうね。そうだよね。されたらいいね。」

「お医者なら、政治家の偉い人とかに働き掛けてくださいよ。給料に還元してくれるようにと、植物星人を社会みんなで責められるように プリが幸せになれない社会や、みんながプリを幸せにすることを頑張ってくれない人間社会なら、プリは要りません 終わってしまえばいいんです 」

「あっ、そうなんだ。ふーん、そうなんだ。そうなんだね。」

「じゃあ気が変わったので過去のことはもう関係無いです。プリはみんなに愛されるために会社に来てるのでこういうお話は二度と要らないです 病気休暇取りますよ。会社と医者のせいにしますよ。裁判しますよ。もう話し掛けないでください 植物星人のほうが人間社会に合わない悪事をさんざん働いてるのにペナルティも無くのうのうと働いているっておかしくないですか 」



プリッコの欲求は、一歩外に出たら、会う人、会う人、全員にアイドルのように機嫌を取って欲しいこと。

でも、自他の区別の必要な人間集団は、振り回そうとしても思うようになってくれないので、『お花レモンちゃん』に攻撃する。


しかし、お医者の話を聞き、記録を読んだ上司たちは、な ぜ か 、本当に『お花レモンちゃん』に制裁を加えれば、会社の統率が取れて秩序が保たれるような錯覚を感じて、信じてしまった。





ある週末の早朝。『お花レモンちゃん』は珍しく弟妹たちに起こされた。

「お姉ちゃんニュース見て 」

パジャマのまま『お花レモンちゃん』は、テレビの前に連れて来られた。

「先程、速報で流れたニュースです。海外のアジア圏に、植物星人の動画配信者が現れました。昨夜から、世界的な動画配信サイトに動画を投稿し、世界各地に波紋が広がっております。」

ニュース画面には、スマホでもお馴染みの動画画面に、自分たちと同じ、基本緑色の体に、Tシャツとスキニージーンズを履いた男性が、手振り身振りを交えて、なにか話している画像が映っていた。

「近年、その存在が明らかになりつつある植物星人ですが、身体を構成する成分は植物であるにも関わらず、知的生命体である、ということで、国連始め、世界各国で、人権などの取り扱いが検討されてきました。このたび、動画配信サイトで、存在を明かしてしまったということで、ますます議論に拍車が掛かるものと思われます。」

『オシベ』は、全身が小刻みに震えていた。アナウンサーはなおも続けた。

「しかし、人類がコロナ新型肺炎の危機から経済的にも精神的にもまだ立ち直ったとは言えない状況の中で、地球外生命体を研究しようとする科学者がまだまだ不足していると言われています。国連や、各国の政府が、研究のために補助金を出す検討も始まっていません。そんな政府などの対応にSNSでは、『核兵器を作るかもしれない。』『次の病原菌を撒き散らすかもしれない。』と言った不安が、日を追うごとに増えつつあります………」

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント