(8)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その8

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花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。




『お花レモンちゃん』一家全員が、スマホに集まって『ぬいぐるみ 洗濯 干し方』の検索をして読んだ。

ピンクの芋虫のぬいぐるみは、2回洗濯機で洗って、やっと除草剤の危険な匂いがしなくなった。

「洗濯ばさみでは挟まないんだってさ。」
「洗濯ネットに入れて、陰干し 」
「服みたいにお日さまでポカポカにさせてあげないの 」
「そういえば洗濯ネットってなあに 」
「100均で売ってる軽~い網よ。あのコップ買ったお店。ネットを買ってなかったわね……。」

姉弟たちは口々に話し合いながら、洗濯物の扱い方を理解していった。

「そうだ……」『オシベ』が思い出した。

「新聞始めた時にただでもらったフロシキ あれを洗濯ばさみで吊るして、その中に芋虫を寝かせてあげる

芋虫のぬいぐるみは、姉弟たちに見守られながら、フロシキのハンモックに寝かされ、綿の中まで乾く日を待つことになった。

「『オシベ』たち、危険な薬剤ついてたぬいぐるみが相手だったのに、よくここまで頑張ったよね。ぬいぐるみの洗濯は大変だったけど、だれも、新しいぬいぐるみにしようって、言わなかったよね。」

『お花レモンちゃん』の話に弟妹たち全員が当然の顔をしていた。

『オシベ』「だって、『ヨウヨウ』が選んだ大事な物だから。まずなんとかしてあげたいから。新しいのはいらない。」
『セント』「いらない。」
『ネクタ』「私もいらない。」
『ヨウヨウ』「ニャンニャイ 」

『ヨウヨウ』はフロシキ越しに、まだ洗濯の「治療」が終わらないぬいぐるみを見上げた。見上げながら『お花レモンちゃん』お姉ちゃんの膝に絡みついて、寂しさをこらえていた。

『お花レモンちゃん』は『ヨウヨウ』のつぼみの上から頭をなで続けた。




『オシベ』は弟妹たちを代表するように、控えめな声で、『お花レモンちゃん』に頼みごとをしてきた。

「お姉ちゃん、少しお金が欲しいんだけど。」
「少しっていくらかしら。」
「……。」「………。」
「一円が何枚かしら。十円かしら。百円かしら。それとも千円かな。」
「……わかんないの。」『ネクタ』が答えた。

「じゃあ、その欲しい物の値段が分かるように、お店で見てきたらいいんじゃないかしら。値段の数字を書いて、覚えて、帰ってきて知らせてね。そしたら私が出して上げられるお金かどうかが分かるから。」

『お花レモンちゃん』は、裏面が真っ白な使わないチラシを切って、ボールペンと一緒に『セント』に渡した。

『オシベ』は、弟妹たちを代表してスマホを管理している。

役目は一人に集中しない方がいい。『オシベ』はスマホを管理しながら指示を出して、『セント』が値段を書き取って、『ネクタ』が、その値段の分からない目的の商品を探す、ぐらいが良いんじゃないかと『お花レモンちゃん』は弟妹たちに話した。

みんなで分担して大切な物を管理して、みんなでお互いを見守り合うと、落としたとか、置き忘れたとか、スリに会ったなどのトラブルを防げるだろう。そしたら弟妹たちも自分を守るのが上手くなって、人間社会の失敗に強くなるのではないかと『お花レモンちゃん』なりに考えた。

そうしたら、今日は留守番していた『ヨウヨウ』と『メイメイ』も見て、やがて同じことを学んで身に着けて、兄と姉たちを追い掛けて強くなる。なって欲しい。

その日、調べてきた値段を聞いて、『お花レモンちゃん』はそれに近い額の現金を弟妹たちに渡した。

「それで、みんな何を買いたいの 」

やっと聞いた頃には、弟妹たちは全員、外出の疲れでぐっすり寝入っていた。





『お花レモンちゃん』は、仕方なく会社のビルの壁回りの雑草取りを始めた。

取る前、退勤後に会社の近くに流れる川の川沿いにある公園に来た。

いつも会社の窓から、白い煙の上がる公園が見えていた。ので、仕事以外の時間を使って『お花レモンちゃん』は探していた。

あった バーベキューをやった跡だ。しばらくは草が生えられないぐらい地面が焦げている。

会社の燃えないゴミ置き場には、錆びて忘れられたスコップがあった。そこを耕す。ほぐした土に空気を含ませた。雨が降って、柔らかい土の中にたくさんの水が浸み込んだ。

次は段ボールを用意すると、ビルの壁回りから雑草を根ごと掘り返した。段ボールに溜まった雑草は、『お花レモンちゃん』が耕した公園の地面に、植え替えられていった。

植物を殺したくない『お花レモンちゃん』。


四角いビルの三辺の草取りが終わり、あと一辺を残すのみになった日だった。

オフィスの扉バーン  デスクバーン

「『お花ちゃん』公園へ行ってなにやってんですか


『お花レモンちゃん』、仕事の手を止めて、身を固くして直立する。そうするしかない。


プリッコの後ろから、面倒くさそうな上司たちも付いてきた。

「うちのー、会社にー、泥を付けるー……可能性のある……ハーックション……可能性……ハックション……のある行動を……ハックション 」

「しろと言った……ヘックシ……社員はいないわけで……クッシュン、あってだねぇ……」

早く話したくてたまらないプリッコは、上司の横から割って入って話すチャレンジャーだ。

「ねえねえ『お花ちゃん』、上司の人たちの言っている話、分かってますか なに指導されてるか、意味わかってる 日本語通じてますか 」


オフィスの隅から、社員のささやき合いが始まる。

「うちの会社って、日本語通じ合ってる人たちって、いたのかしら……
「ヘックシッ………その前に日本語が通じ合わなくても、………クッシュン………日本っていう国って回ってるんだね。」


「不審な行動を取るなと言っているんです SNSの時代なのよ 植物星人が公園でスコップ使ってるの気持ち悪いでしょう 撮影されて警察が会社に来たらどうするの これから監視カメラも付く時代になっていくって言われてるのよ 『お花ちゃん』は勝手に逮捕されればいいけど、会社がどんなに恥ずかしい思いするのか理解できてますか 」

プリッコは騒ぐ。顔の皮膚が上へ、上へ、吊り上がって痙攣する。汗が湧き出す。プリッコの脚はスワロフスキー光るヒールサンダルで、床を踏み鳴らせない。そこで抜け切らない怒りが全て上半身に集まっていくような殺気を発している。


ささやき合いは続く。

「恥ずかしいんだー。………ハクション……プリッコも警察呼ばれ………ハックション………た時やっぱり恥ずかしさがあったのかな。」
「……クッシュン………知らなーい。」


「すみませんでした。すみませんでした。」

人間の言うことは丸ごと全部、肯定した会話をしなければならない。


植物星人だから。


植物星人だから。





昼休憩。給湯室で、プリッコの婚活ニュースが流れた。

「午前中にパイロットが『会いたいです』って返事して来たって。プリッコに。」

「マジかー。それ本物のパイロットー 」

「えーすごーい。興味無ーい。棒読みー。」

『会いたい』とパイロットが返事をしてきたのは5人だそうだ。自分は国内トップ5、に入った、栄えあるエリート女子なんだと、プリッコは自己顕示欲が天高く舞い上がっているらしい。

「でもそれはそれで、また人格豹変するんじゃない 最近の医学じゃ、正しくは人格って使わないらしいけど、難しいこと知らねーし。」

「面倒くさい。」
「分かんない。」
「園に子ども迎えに行くしー。仕事の努力以外のことでわずらわされてらんないよ。」
「帰りたい。定時に帰りたい。」
「うちだって娘夫婦と孫と夕ご飯食べるんだからね 定時に仕事終わらすために長年自分で覚えてきた要領っていうものがあるのよ。今更邪魔しないでもらいたいわ 」
「普通にお勤めしたーい。」


オフィスに社員がまばらになった昼休憩中。『お花レモンちゃん』は『オシベ』のスマホにメールを打った。

『ごめんね。今夜は帰りが遅くなります。暗くなってから家に着きます。先にみんなで水を飲んで、シャワー浴びて、寝ててください。ヨウヨウの哺乳瓶にも水を入れて持たせてあげてくださいね。ごめんね。』





午後。すでに午後の仕事を始めていた『お花レモンちゃん』の横に、プリッコが腕組みをしていつの間にか立っていた。

「『お花ちゃん』私の気持ち解かってる みんなの気持ち通じてる 」

すぐに午前中のように『お花レモンちゃん』は立ち上がり、その場に直立してから頭を下げた。

「すみませんでした。」

プリッコはいつものように黄色い声を上げた。

「その謝るの腹立つ 」

以前のヒステリーと違うのは、化粧直しが完璧に決まっていたことだ。髪の内巻きも抜かりない。

「人間てね、歴史が長いから、人と人とが力を合わせないと生産が出来ないって知ってるの。だから農業して食物作ったり、機織りしたり、商売して食物や服を他の土地にも流したり、医者がいたり、お姫様がいたり、侍女がいたりして、みんなで循環させてきたのよ。」

「はい。」

難しい話が始まった。『お花レモンちゃん』は当然、否定や質問をしないで黙って聞き続けるしかできない。

オフィスの中は、聞き耳を立てる人たちで一時、静まったが、間もなく、止められないくしゃみがまた始まった。

「協力の仕方を知ってるの。それが人間なのよ。そんな人間の中で植物星人も働かせてもらえてるじゃない 不幸なこと  幸せなこと どちらか答えなさい。」

「幸せなこと………ですか? 」

仕方なく、まことにもって仕方なく、『お花レモンちゃん』は誘導された答えを答えた。

「ふざけんなって言ってるのよ 」

ガーン

いつの間にかスワロフスキーのヒールサンダルを脱いだ片足が、側面で『お花レモンちゃん』のデスクの壁面を蹴っていた。

「自分の感情よりもプリたちの迷惑を先に考えたら、そんな言葉は出てこない 今の返事は本当に傷ついた 植物星人は謝ってるふりして人間たちのことを見下していたんだ 自分の感情で社会は回らないのよ 仲良くして欲しいって願いなさい 認められたいって求めなさい 」

再び『お花レモンちゃん』の花びらは掴まれ揺すられた。

顔と花びらの間からストレス性の花粉がシュワーッ…………

「もっと必要とされたいって求めなさい 人間が許してくれないと植物星人は生きられないんだよ どうしてもっと追いすがらないの 怯えて生きなさいって言われてもいい生き物たちなのよあんたたちは 這いつくばってひもじがって情けを乞いなさい そこまで裏切られているなんて思ってもいなかった いつか核兵器で人間たちに復讐するんでしょ 今はするつもり無いかもしれないけど絶対するんでしょー 」

ガーンガーンガーン

デスクの壁面が少しへこみ、やがて折れ曲がり、ますます(く)の字にへこんでいった。

赤く吊り上がったプリッコの顔面は、留まることなく左右に引きつり続けた。まるで、顔が左右に割れて、中から『中の人』がもう一人出てきそうな容貌は、オフィスの社員たちから見て、国内トップ5に勝ち上がってきたお姫様 の戦いを続けられるようには見えなかった。





『お花レモンちゃん』は、残業して、停止した仕事を片付けてから、最後に残ったビルの壁ぎわの雑草を取って、公園に植え替えをした。

「太陽に当たれる時間にしてあげたかったけど、ごめんね。暗くないとどうしても無理だったの。元気でね。」

公園の雑草たちにお別れを話して、『お花レモンちゃん』は家に帰った。


『オシベ』『セント』『ネクタ』『ヨウヨウ』は寝ないで待っていた。「おかえりー 」

『お花レモンちゃん』は、帰り道でペットボトルの水を飲んで来たが、もう一回、弟妹たちの汲んでくれた水を飲んで、『メイメイ』が殻の中で足を動かしていた話を聞き、シャワーを浴びた。

そして電灯を消した。

本物の幸せな夜が来るとしか思えなかった。


バーン ドカーン

部屋を暗くしたまま、『オシベ』が壁に身を隠しながら、カーテンをわずかにめくって外を確認する。

『セント』は『お花レモンちゃん』を、『ネクタ』は『ヨウヨウ』を子ども部屋に入れてから、『オシベ』の知らせを待っていた。

「ガラス、割れてない 飛散防止フィルムにガラスがベッタリ貼り付いたまま 」

「ぃやったああぁー

「お姉ちゃん ガラスの飛散防止フィルムで、危険なの持った人はうちへ入れないよ 」

『セント』が、お金の使い道を明かした。

まだ暗がりで外をうかがっている『オシベ』が指示を出した。
「『セント』『ネクタ』、次 」

眠ってる『メイメイ』を抱いたまま、『ネクタ』がスマホを持ってトイレへ入った。

『危険なのを持った人』は、フィルムで破れないガラスを殴り続けていた。『オシベ』はなにかを押し付けて対抗していた。

玄関の下駄箱から外した扉を、盾の代わりに使っていたのだ。

『お花レモンちゃん』の胸には、弟妹たちの成長と勇気と機転に、なんとも言えない感動が湧きあがっていた。なんて強くなったんだろう なんて賢くなってきたんだろう

5分後、パトカーが到着した。





翌日。

つまり通報は知らないので、『お花レモンちゃん』は、通報では会社にとがめられなかった。


警察から連絡が入って、不快が限界になった上司たちに、プリッコが放り出した仕事の案件や、こじれた話の確認が次々に入ってきた。

全部部下たちや、『お花レモンちゃん』に振って押し付けようとしても、案件によっては先方があり、上司の対応じゃないと納得しない人たちも出てきた。

上司たちは苦し紛れに、会社が契約している産業医を呼んだ。

少なくとも教養のある医者なら、プリッコに解りやすく話をしてくれるだろうと当てにした。

産業医は、ベテランで貫録のある体を装った、中年のお爺ちゃんだった。

「………で、その植物星人が、人間たちに協力的な態度を取らなくて 傷ついて それは可哀想だねえ。分かるよ。分かるよ。」

「プリは忙しいんです。プライベートで忙しいことを抱えているんです。私生活も大事にするのが、労働者の権利でしょう 」

「うんうん。で、植物星人が憎くてたまらない、まではお話分かったんだよね。なら、受け持ってるお仕事もしてから、植物星人にもう一回お話を」

「お話じゃないです。生易しい話にしないでください。指導と叱責でしょう 」

「あっ、そうね。そうね。」

「プリは被害者なんです 」

「そうね。そうね。で、会社の人たちにも、協力してもらわないと、こういう話って、聞き入れてもらえないものなんだよ。だからね、受け持った仕事は仕事で、ここ長いんだから、ちゃんとやって、会社の人たちから信頼も………」

「長いって聞きたくないです 」

「あっ、そうね。そうね。ごめんね。優秀ね。優秀なんだから、仕事で、信頼増やして、」

「信頼なんて聞きたくないです。プリがみんなに好かれてないみたいじゃないですか 傷つきました プリはプリらしく可愛らしく会社のアイドルしてきたからなにも問題は無いですよ 」

「あっ、そうなのね。そうね。そうね。問題無いアイドルなのね。分かりましたよ。だから、アイドルはアイドルで自分で続けて、それから、みんなもお仕事で生活しているんだから、お仕事も、優秀な社員として完成させましょう。自他の区別、付けながら、植物星人と共存するための指導もしていけばいいじゃないですか。」

「どうして分かってくれないんですか 」

「分かってないとは。」

「プリは今、植物星人が気持ちを分かってくれなくて悲しいって言ってるんです  被害者なんですぅ どうして一緒に植物星人を憎んでくれないんですか 除草剤で枯らしてしまおうね、とか、焼き払ってしまおうね、とか、もっとプリの気持ちに味方になってくれる言葉をどうして言ってくれないんですか 」

「あっ、そうね。そうね。ごめんね。分かりづらくてごめんね。会社には、私生活の生活で来てるわけじゃないから、仕事もしながら、植物星人のこともみんなと協力してしましょうって、それだけなんだけどね。ほらわたくしもね、プリさんのファン、とかでプライベートで来てるんじゃなくって、医者として、呼ばれたから来て話してるから。自他の区別ってね、そのへんの人間はみんな付けているんだよねぇ……」

お医者はかなり諭す作業が苦しくなってきていた。

「高齢のファンはいりません。お断りします プリはそのへんの人間とは一緒にされたくありません 」

「あっ、そうね。そうね。そうなんだ。」

「そんなに自他の区別を押し付けるんなら、業務で自他を区別したら、給料に還元されるんですか 」

「あっ、そうね。そうね。そうだよね。されたらいいね。」

「お医者なら、政治家の偉い人とかに働き掛けてくださいよ。給料に還元してくれるようにと、植物星人を社会みんなで責められるように プリが幸せになれない社会や、みんながプリを幸せにすることを頑張ってくれない人間社会なら、プリは要りません 終わってしまえばいいんです 」

「あっ、そうなんだ。ふーん、そうなんだ。そうなんだね。」

「じゃあ気が変わったので過去のことはもう関係無いです。プリはみんなに愛されるために会社に来てるのでこういうお話は二度と要らないです 病気休暇取りますよ。会社と医者のせいにしますよ。裁判しますよ。もう話し掛けないでください 植物星人のほうが人間社会に合わない悪事をさんざん働いてるのにペナルティも無くのうのうと働いているっておかしくないですか 」



プリッコの欲求は、一歩外に出たら、会う人、会う人、全員にアイドルのように機嫌を取って欲しいこと。

でも、自他の区別の必要な人間集団は、振り回そうとしても思うようになってくれないので、『お花レモンちゃん』に攻撃する。


しかし、お医者の話を聞き、記録を読んだ上司たちは、な ぜ か 、本当に『お花レモンちゃん』に制裁を加えれば、会社の統率が取れて秩序が保たれるような錯覚を感じて、信じてしまった。





ある週末の早朝。『お花レモンちゃん』は珍しく弟妹たちに起こされた。

「お姉ちゃんニュース見て 」

パジャマのまま『お花レモンちゃん』は、テレビの前に連れて来られた。

「先程、速報で流れたニュースです。海外のアジア圏に、植物星人の動画配信者が現れました。昨夜から、世界的な動画配信サイトに動画を投稿し、世界各地に波紋が広がっております。」

ニュース画面には、スマホでもお馴染みの動画画面に、自分たちと同じ、基本緑色の体に、Tシャツとスキニージーンズを履いた男性が、手振り身振りを交えて、なにか話している画像が映っていた。

「近年、その存在が明らかになりつつある植物星人ですが、身体を構成する成分は植物であるにも関わらず、知的生命体である、ということで、国連始め、世界各国で、人権などの取り扱いが検討されてきました。このたび、動画配信サイトで、存在を明かしてしまったということで、ますます議論に拍車が掛かるものと思われます。」

『オシベ』は、全身が小刻みに震えていた。アナウンサーはなおも続けた。

「しかし、人類がコロナ新型肺炎の危機から経済的にも精神的にもまだ立ち直ったとは言えない状況の中で、地球外生命体を研究しようとする科学者がまだまだ不足していると言われています。国連や、各国の政府が、研究のために補助金を出す検討も始まっていません。そんな政府などの対応にSNSでは、『核兵器を作るかもしれない。』『次の病原菌を撒き散らすかもしれない。』と言った不安が、日を追うごとに増えつつあります………」

私たちは化石になっていく。

4月、5月、緊急事態宣言が降りて、全国が自粛期間になったころは、いろんなこと考えてしまったけど、

今思うと私のコンディションも決して平穏で問題なく健康ってわけではなかったから、記憶が切れ切れなんだけど、

ネット中毒のネット民たちに、いよいよ学級崩壊のようなものが起こるのかもしれないのかな……と、いう気が漠然としていた。

私たち特有の、予期しないことが起こる時の、不安とも言い切れない、ワクワクとも言い切れない、

着地点が分からない、バランスが取れない感じ。



学級崩壊っていう言葉は覚えてるだろうか

ざっくり20年ぐらい前か、それ以上前、じゃないかと記憶してる。その騒ぎ後から、国内にADHDの書籍出版が徐々に出てきたはずだ。

だから平成生まれの若者の人たちの中には、知らない人もいるかもしれないね。

時代の変化とともに言動が自由な子の割合が増え過ぎて、大人の指示では学級の統制が取れなくなり、学業に支障をきたす事態、と言えばいいのだろうか。当時は、学級に副担任、という先生がいなかった。今って、いるの

そんな事態を煽って原因を作っていた子の中に、ADHDもいたと言われています。



話は飛びます。


腸内フローラルのようなネットの中。

マナーの良い人が良いことを言いながら行儀よく集まる場所は、なんだか平和で前向きな空気になり、

リツイート攻撃をし合ったり、ネット依存の人や、メンヘラな人が互いの自己愛や精神の安定をへし折り合う戦闘地域は、防衛機制が爆発して、連鎖して、循環しながら、エンジョウをしては基本放置されていて。

日和見菌みたいのがいて、善玉菌にも、悪玉菌にも、どっちにも付けて膨らませる勢力もあるんでしょう

悪玉菌が止まらなくなったら、数多く見てきた掲示板やチャットのように閉鎖されたり(ほんとにたくさんあった。)、ひどいと有名人を精神疾患にしたり、じさつさせてしまったりするんでしょう

まるで腸内フローラルみたい。



そんな優柔不断な場所に、ものすごく多くのネット民が新規参入してきて、なにか危険な変化があるんじゃないか、みたいな、漠然とした不快感はあった気がする。

学級崩壊みたいな状態になって、でも、人類がネットに頼りたい気持ちってもう後戻りできないから、

なにかそれなりに適応的な変化があるんだろうか、とか、グチャグチャ考えそうになっては、よく分からないので、やめていた。そんな時期だった気がする。



「ネットにはなんでも方法が書いてある時代になった。」という言葉を聞いた。

悪いことをする方法も、騙す方法も、詐欺する方法も。

なるほどそうだと思った。

コストとか、リスクとか、成果とか、収益とか、

そんなのをいーっぱい考えられる人しか冒険や挑戦が出来ず、

野良レモンのように、屋外の時代の変化が見えず、目の前に出された指示に従うことに頭を一杯にして捕らわれる頭脳の持ち主は、安定の平サラリーマンをするしか生きられない。

しかし、ここに集まっている苦しむ軽度当事者たちは、

平サラリーマンや、庶民の中の主婦や母親などをやっていても、脱落する危険があるほど、

具体的に不注意や感覚過敏や思考再燃などに悩まされている。


いくら人に会いに外へ一歩を踏み出しても、
過去記事に書いてきたように、時間を空けて作って、身支度をして、道を緊張して調べて、迷ってへとへとになってたどり着く一日を繰り返し、
本当は、無理して翌日も過敏な感覚を冷まして平気を装ってでも、日常に戻らなくてはならなくて、頑張ってるのは自分ばかりだし、


人と会って努力して喧嘩無く過ごすと、互いに自己紹介ばっかり。

不注意で散らかる家事も用事も、既に決まってる世の中の回り方に怒る当事者子どもに24時間どう接するのかの悩みも、下がった自尊心を回復するのにだれが具体的に支援してくれるのかも、

どれもこれも希望がありそうな気配ばっかりで、でも実際には頑張ってるのは自分ばかり。

そんな軽度当事者たちが、たぶんここに来てくれ、そしてここらへんのブログランキングのブログや、行きつけのツイッターやフェイスブックやインスタやラインなどなどがあるんだろうな。

「なんでも方法が書いてある」けれど、

使えないんだよ。

挑戦や冒険をできる人ならできる方法が書いてあるだけなんだよね。

私たちは、できないんだよね。

そこのへんの言語化 を、20年ぐらい私は待って、待って、待ってきたんだと思う。




所属してる場所や、会った人相手に、自分をゴミ感情の引き受け役にしないこと、これもネットではすごく多くの❝書ける人❞、❝言える人❞がしゃべってる。

重要な救いの言葉だと思う。

世界規模の人類の努力目標だと思う。

欧米では結構自尊心の自衛の習慣が進んでいる感じがあるけれど、アジアではまだまだな面がある。所属している場所、国や学歴や家族に依存してしまいがちを感じる。 (あくまで野良レモン感覚。)

日本は、依存対象から個人がだいぶ切り離されてきたけれど、そこから実力が無い、野良レモンみたいな層は、なにしたらいいのかが無いので思考停止の海を漂うしか無い。

それに世界規模で、まだ残っているのが貧富の差。

社会の現実のリアルの中で、動かしようの無い分断、『わずかな権力者と、どこでも食べて行ける器用で動けて地頭がいい天才たち』と、『多数の食べていけない人たち』が分かれているので、『お花レモンちゃん』のように、逃げられない仕組みの中にはめこまれてしまうと、依存の思考になってもそこから逃げられないのが、まだまだ現実だと思う。

ただ、逃げられない閉塞感の中、だけだと、昔の人たちは間違っててもなにか行動を起こそうとしてきたようです。
婚姻率も出生率も高かった。働いていたらとりあえず回りが見かねて自動的に配偶者が当てがわれ、当てがわれた当事者たちも真面目に自覚を持って常識的に生きて行った場合が大多数だったらしい。
システムが機能してたらしい。

テレビで煽られたら家電やマイホームや車を持つことにすごい夢が見れた。
私自身も、昭和を覚えてる。二層式洗濯機から全自動洗濯機に変わって、嬉しかった
ボットンから水洗トイレ、平成にはウォシュレットも登場して、嬉しかった

でも、そんな昭和で、残っちゃったものもあったんですよね。コミュニケーション問題が多くを占めるんだと思うんだけど。
それが解消できなくて、解決できなくて、離婚率は増えちゃったし、野良レモンたち40代を中心に報われない苦労をしょい込んじゃって、コンプレックスでメンヘラ化するしかなくなってる。


今は、逃げ場として認知された場所があるんですよね。SNSですよ。

閉塞感からなにか生産的な物を手に入れるんじゃなくて、『燃えないゴミ感情』は、SNSに捨てられて溜まって行ってるんですよね。
現実でなにか承認欲求が解消される物を、物で手に入れようとしたら物が増えるし、断捨離大変だし、メンヘラ化するしかないから。

たしかに効率的ですよ。SNS。私もかなり物が増えなくなった。

昔よりもだんだん社会がギスギスしないで回るようになってきてる。(野良レモン感覚。)

私たち、軽度当事者にとって、表面的にでも周囲がギスギスしてないって、確かに助かることなんですよ。

表面的な変化でも、私はすがるしかない。乗っかるしかない。


ただそれで解決してないんですよね。


ギスギスしなくなってきた世の中を評価してくれる役の人がどこにもいないから。せめて報酬として景気が良くなると違うんだろうけど。

なにも起こっていない、変化していないことになってる。

とくに私たち、ASDがミックスしてるスペクトラムだと、評価してくれる役の人を手に入れづらいし、
もっとスペクトラムが重いと、そうしてくれそうな人からは逃げてしまったり、果ては喧嘩してしまったりしてしまうから。
自前のASD天然の機能には、社会の変化や人の動きを共感して感じ取るセンサーは付いてないし。

だからなにも起こっていない、変化していないことになってる。自分の老化だけ感じるけれど。

不貞腐れてグレた『キャント イート アップル』も、メンヘラの状態から、自尊心を取り戻すのに、言語で教えられる人がいないのは、文字通り話にならない。

だれがなにを頑張っても、話が循環して元に戻り続けるだろうから。


過去記事の繰り返しになるけれど、まずは育成ってことを望む。



だから野良レモンの願望としては、

もう偶然を当てにするのではなく、そういう『心優しい人』を育成したら、

❝役職❞として手の届くところに配置して、私たちをケアしてもらえるようにしてもらう
、ということ。

公務員扱いでいいよもう。安全じゃないと地方の隅々にまで人材来ないでしょ



通訳の育成。生活の中で偶然出会える人には伝わらない言葉を、言語化を助けてくれて、察してくれて、どこへ向かっていくのか探してくれて、励ましてくれて、評価くれる役職の人。


私はしない。できない。私じゃない、頭のいい人に動き出して欲しい。待ってきたんだけどー。




『お花レモンちゃん』お話遊びもね、いつも迷うのよ

お話はね、作者の言いたいことを全部説明しちゃ駄目なんだって。読者の好奇心とか感情を動かしながら、なんだろう って想像して読み取る余地を残しながら、引っ張って、引っ張って、答えを明かして安心させるんだってさ。

でも、軽度発達障害当事者たちは、始めから一個ずつ説明してもらわないと、不安で、不安で、間違ってばっかりいるじゃん

私もそうだから、ストレスが分かる。

だからどこまで書こうかなあって。どこまで書くべきなのかなあって。これで合ってるかなあって。
そもそもどこまで書いたら合ってるのかっていうのも、正解が無いようなものじゃん。

一般の普通の人たちが読み取れる書き方と、私たち軽度発達障害当事者が読み取るのに必要としている説明の量は、きっと違うわけじゃん。

それで、軽度発達障害当事者たちの中でも、絶対賛否両論出るじゃん。私、絶対仲裁し切れない。

もしもSNSをもっと広げようものなら、8つどころじゃない突っ込みのリツイートが来て、エンジョウしかしないじゃん。怖い怖い。






もしも連休中のキッズがここに立ち寄っていたら。

手を洗いなさい。先に磨かないと忘れるものだから歯を磨いて、宿題しなさい。そして寝なさい。

寝る前の薬があったら、毎日の習慣に組み込んで、飲めるようになりましょう。

ここには間違って来ちゃった、と思いなさい。


ここには、子どもたちの役に立つ情報は、たぶん入っていません。

みなさんから見て、オバサン、オジサンと感じる年以上の、軽度発達障害当事者の大人たちは、

一部の、創造的な人や、努力して、努力して、人々に尽くして、結果を出したり、勝ち上がってきた当事者たち以外は、

これから疲れていって、

大袈裟に言うなら『化石』になっていく
ようなものです。

なぜ『化石』なのか。

野良レモンオバサンたち、オバサン、オジサン以上の軽度当事者たちは、子どもの時から診断してもらえませんでした。

誤解されて怒られたり嫌われたりしても、それが誤解だ、ということすらも、近くの人たちも、自分自身も、知らなかったのです。

そのまま大人になって、社会へ出て働きました。

だから、子どものみなさんに、お手本にしてもらえたり、憧れてもらえたり、尊敬してもらえる、行動が出来ていません。

だからものすごく、病気になるくらい、ガッカリしながら、歳を取ってくるしかできませんでした。

みなさんは、分からないことがあったら、

お医者さんや、支援者の人や、信頼できる先生と呼べる大人たちに、教わってください。

説明が足りないな、聞き足りないな、納得いかないな、と感じた時も、聞きさえすれば、説明を続けてできる大人たちです。

納得いかない、言葉が足りない説明を受けた時に、我慢して、無理して満足した気分になろうとするのは、あまり良いことではありません。


私たち、オバサン、オジサン以上の歳の当事者たちは、分からないことを聞き返しても、答えてもらえませんでした。

だから、イライラしてネットで喧嘩することがよくあります。

読んではいけません。

これから、診断と支援を受けた若い当事者たちが社会で活躍していきます。みなさんもそれに続きます。

オバサン、オジサンたちの喧嘩はお手本にはなりません。役に立ちません。

つまり喧嘩は、「昔の当事者たちがしゃべっていたこと。」として、化石のように、これからはネットに残っていくだけなのです。


恐竜の化石や、アンモナイトの化石が、もし 「オレたちは自然災害でこうなったんだ。価値があって偉いんだ。お前たちも安全なところにばかりいないで自然災害ぐらい我慢しろ 」と偉そうにしゃべって怒ってきたら、

人間たちは言うこと聞くでしょうか 「神様になって欲しい 」と尊敬するでしょうか 頼るでしょうか

もししゃべる恐竜やアンモナイトが見付かっても、珍しいから動物園や水族館で飼ってあげて、エサをあげるのがせいぜいじゃないでしょうか。

将来の学力にもならないのに、無意味に、嫌なこと、苦しいことを引き受けて我慢することを、覚えてはいけません。『化石』の言うことはいわゆるそんなことばっかりなのです。


難しい言葉で、『依存的』と表現されることもあります。

『依存』とは、ようするに頭がいっぱいになる怖いことです。いつもは分かっていた、良い、悪い、を判断できなくなって、成長できないのに、無意味な目的なのに、脳がこだわって、人に迷惑を掛けてもついついやってしまうこと。

朝、気持ち良く起きたくても、夜、眠くて寝たい時も、家族がいい話をしてる時も、楽しみな授業や行事の前も、『依存』してることを思い出して、頭がいっぱいになって、苦しんで、大切なことに集中できなくなってしまいます。

テレビやネットで聞いていると思います。たとえば「タバコ」「お酒」「パチンコ」「違法な薬」「ゲーム」「出会い系」……まだあります。全部、自分を傷つける危険なことです。「ネットで喧嘩」もそうです。


『化石』と喧嘩しても、生産性はありません。みなさんはしてはいけません。

ネットから読みたい物が見付からなかったら、悔しいかもしれません。その悔しさは社会に適応するための勉強にぶつけてください。勉強を教えてくれる大人たちに反抗じゃなく質問をぶつけてください。

私たち、軽度当事者のオバサン、オジサンたちにはできないことです。私たちは大人になってしまったので相手をしてもらえない。

一部の、勝ち残った創造性のある当事者たちから、学んでください。
だけだとバランスが取れないので、学校の勉強、いわゆる一般教養も勉強してください。
軽度当事者でこだわる人が多い美意識や、抽象的な芸術は、国内、海外の古典芸術から学べます。
教えてくれることが当たり前ではないので、お礼は言うようお勧めします。

だから、こんなブログを読んでる暇は無くなるはずです。

手を洗いなさい。歯を磨いて宿題をしなさい。薬があったら飲んで、そして寝なさい。





なんかすっごい迷惑かけて回って逮捕されたユーチューバーがいるんだねえ。

えーっと……

ええーっ、と……

えええーっと、ね、んーと…………

私、地方住まいで良かったわあ

都会って怖いのねえ


会計前商品を傷つける、あげくにコロナ広めるって、なんか挑戦したくてしたくて、力が余ってるんじゃないの

そう見える。

無理して日常で出せるエネルギーじゃないよ。もともと天然でそんな特性とか才能があるんだよきっと。

ただ、なにしていいか分かんなくて力に任せちゃうんじゃないの


こういう若者こそ勉強すればいいのに、と思う。

大学に入り直すとか。

知らないことを知った時にした経験と思考回路は、私は今でも私の中で生きていると思ってる。うん。たしなむ程度なものでございますけれどね。


(7)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その7

一話目
二話目
三話目
四話目
五話目
六話目




花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。




『お花レモンちゃん』一家は、以前行った100均の店のあるショッピング街へ行った。

カーテンを買った。

「お姉ちゃん、メートルってなに」「お姉ちゃん、遮光ってなあに

子ども部屋の短いカーテンと、リビングの長いカーテン。夜はこれをすれば外から見えない。

一家がホクホクしてアパートの共同玄関に着いたときだ。


3人いた。

たまたまそこで立ち話していた雰囲気の人間3人。3人は一斉に『お花レモンちゃん』一家を見た。

「こんばんは。失礼します。」

3人の間を小さくなって通ろうとする『お花レモンちゃん』の後に続いて、5人の弟妹たちも通ろうとした。

「困るんですけどね。警察を呼ぶような事件はもう 」
「危険な薬剤を持ち込んだんですって そんな危険な場所から毒物を買い込むような人に恨みを買ってるんですか
「うちには子どももいるんですよね。人間の子どもがもし巻き込まれたらどうするんですか 知らずに手で触ったり遊んでしまったら、命に関わるじゃないですか

アパート住人から苦情が来た。

即、『お花レモンちゃん』は回れ右をして、3人の住人に深く頭を下げた。「お騒がせしてしまい申し訳ありませんでした。」

弟妹たちもこの空気がよく解らない顔のまま、『ヨウヨウ』『メイメイ』以外は姉にならって頭を下げた。

「謝って危険が無くなるなら悩みませんよ。悩まなくて良くなるようにしてください。大家さんも家賃が必要でしょうし、今すぐとは言いませんが、危険なく住める場所を他に探し始めてもいいんじゃないかしらぁ。」


週末。

『お花レモンちゃん』は一人でショッピング街の近くの不動産屋へ行ってみた。

ガラスに貼ってある空き家の間取り図の紙を順に見てみる。何枚か見ているうちにだんだん読み取り方が分かってきた。

近くに貼ってある、蛍光オレンジ色付きの紙が目に入った。太い字で印刷されてあった。

『植物星人は利用できません』





自己保身したい上司の指示で、❝なにごとも無かった❞ことにした会社だったが、

結局、警察騒ぎを起こしたことは、プリッコが我慢できずに自分で触れ回ってしまうことになった。

オフィスの扉 バン 『お花レモンちゃん』のデスクにも バン

「自分が被害者だと思ってるでしょ 大間違いだから 会社の全員、プリのこと犯罪者って思っていないし『お花ちゃん』が悪いと思ってるんだからね

プリッコの髪は、いつもほど内巻きが決まっていなかった。よく下瞼に付いているキラキラ光るメイクが、片方しか付いていなかった。少なくとも、いつもの無敵のオシャレに集中する精神状態ではなかったことを身だしなみがわずかに示していた。

「『お花ちゃん』は会社のみんなを傷つけてるの。迷惑を掛けているの。さんざん、だれもかれもが、上司の人たちも、自分の時間を犠牲にして、話し込んできたから、知ってるよね

社員たちが小さい声でささやきあう。

「業務時間で……ヘックシ……えんえんと説教してきたのはプリちゃんだけ……」「クスクスクス………ハックション

もちろんプリッコと『お花レモンちゃん』2人には聞こえていない。

「人って能力それぞれだからぁ、個人差があるのは仕方が無い。迷惑を掛けてしまうメンバーって、大抵の集団で出るものっていうよね。問題はぁ、そういう落ちこぼれがどうするかってことでぇ、落ちこぼれが落ちこぼれのままでいるんじゃなくってぇ、周囲の役に立ちたいって、心から思えるかどうかでぇ。………返事無いの 」

「はい。」

「必要とされたいよねぇ 自分は会社の一員として認められてるのかなって。認められたいって、求めて求めてやまないよねえ 特に植物っていうハンデを自覚してるなら、なおさらだよねえ 違う そうなの 答えを聞きたいなあ プリは犯罪してないよ。コミュニケーションしただけだよ。除草剤持って家に侵入しましたけどぉ 人間相手じゃ無いから犯罪には問われませーん コミュニケーションなんだからねっ だから本当は警察呼ばれるようなことじゃないの。でも過ぎたことってもう関係無いよね こやって言いたいこと言うのも人間社会に適応できるように指導してる愛情なんだから理解するように。ブリはね、隠し事とか内緒とか、そういうの嫌いだから 」

「はい。」

「じゃ理解した結果としてなにをやって見せるか なにやって見せるか なーに なーに 分かんなければ聞かないの なんのための知性 たーだーのーお飾り この花びらとおんなじ おーかーざーりー 」

プリッコは、『お花レモンちゃん』の顔の回りの花びらを、まるで人間の胸倉をつかむように掴んでグラグラ揺する、どこから見ても明らかなハラスメントをした。

花びらと顔の間の隙間から、スプレーを押したかのように花粉がシュワーッと噴き出した。

「ハックション……グシャン…グシャン
「やめて……ハーックション……やめてくれ……ハックション
「いい加減……ハックション……もう嫌ハックション 」
「……クシャンクシャン……どうにかして

「すみません。なにをすればいいですか なにをさせていいだけばいいですか

「なんで聞くの 聞けば済むと思ってるの だから聞いたでしょ、その知性はお飾りですかって それがそんな言われ方するなんてプリ傷ついた


給湯室の女子の噂話は長引いた。

オフィスを換気している間、女子社員のだれもがデスクに戻りたくなかった。

「あれだけ攻撃されたら、あの植物星人も折れるのかな 」

「折れるって 」

「植物星人の兄弟を捨てるのかな 知らんけど。まずは人間様の言うとおりにするってそういうことじゃん。」

「知らなーい クスクスクス 」

「やだもうなんでもいいから定時に帰りたーい ねえねえ駅前のサラダバーの店、ちょっとオシャレじゃない 」

「えええー あのサラダつまみにしてお酒も飲めるって店 違うつまみがいい………」

「店員イケメンってインスタに書いてあったよ 行っちゃう 」

そこへ、自分の噂話が打ち切りになったのを察知したかのように、プリッコが入ってきた。

「有休取って連れてきた弟妹たちをペットのように捨てるとか 家族も大切に出来ないでなにが知的生命体だっていうのよ 思い上がるなってのね 」

プリッコの中で、そ の 時 だ け は 空想は勝手に膨らみ続ける。ダブルバインドであっても、問題では無いのだ。

『お花レモンちゃん』が会社で働き続ける限り、プリッコの頭には脈略の無いどうでもいい怒りの血潮があがり続けるのだ

面倒くさいので社員たちはプリッコの話を茶化しつつも全部聞き入れてあげる。

「そうよねー。私たちならともかく、植物星人同士なら家族は捨てられないわよね~ 本当に捨てたらそのほうが怖いわよね~ 」
「なになに捨てようとしてるの やっぱり植物よね どうでもいいけど。」
「コミュニケーションしに行って警察に捕まったってなに 呼ばれただけでしょ 」
「でもちょっとなにそれまるでストーキングー ちょーこわーいー 」

「警察に捕まる思いしたの プリ怖かったの もう言わないで でも言って てへぺろ 」

男性社員たちは喫煙室や、社員食堂や、立ち飲み屋で、10年前のプリッコの乱心のひどさを噂していた。

「10年前のプリッコはほとんど新人の若い女の子じゃん 真面目な男ほど振り回されて、会社の中で殴り合いの喧嘩になるわけよ 」
「上司に呼び出されて反省会しても、今と同んなじなんだよな。プリッコが泣いて帰ったら回りの男たちが集団で代わりに言い訳考えてあげたり、解釈考えてあげたり、説明してあげたりして、翌日になったら社内に出される指示がことごとく変わってしまうっていう。」
「本人いないところでみんなでお察しして、お察しが集まるから正しい答えが無くてひどいのなんの。」
「段取り組んでやってたことを始めから仕切り直し。どこでだれが流れを変えたかもう分かんないって 」
「そんなのばっかりだから、オレは定時に帰りたい、でもう頭をいっぱいにすることにしたよ。だれがターゲットになっても、当番制で回っているようなもんだもん。助けたり、間違いをたどったりしないよ。もうたくさんだから 」





女子社員たちは、プリッコを避けながら退勤して、給湯室で話し合ったサラダバーに集合した。

「コロナは地球上の内輪から出てきた病気でしょ だから文句はあるけど仕方なく自粛したよ。在宅もしたよ。でもやっぱり宇宙人までまだとても人間は受け入れられないわ。」

「地球外生命体っていわゆるエイリアンじゃん エイリアンと早く会いたいっていうさ、SFな人たちは世界中にいたけど、来たら分かったわ。とても受け入れてなんかいられない。面倒見切れない。地球の内輪で手いっぱいだわ。もういらな~い。」

「救世主してくれるわけでもない、核兵器みたいなので武装してくるわけでもない、なにしに来たんだか分かんない連中はボケッとしてて邪魔くさい。腹だけ立ってくるわ 」

小声の提案が出された。

「ねえこの後、焼き鳥も行かない サラダも美味しいんだけどさー、お酒にはやっぱ違う物のほうが………」

だれからも返事は無かった。イケメンを探すことも忘れ、女子社員たちは人間社会の隙間に落ちてきた、思いもよらない宇宙人の取扱いについて語ることで、頭が一杯だった。

「植物人間てさ、メンタル構造どうなってるのかな。花粉が出るからストレスがあることは分かってきたけど、溜めて溜めてさ、病まないのかな。病んで辞めないのかな。人間ならある程度でメンヘラになるよね~

「人間ならメンヘラ 豚も魚も人間様の都合で毎日しんでんだよ。もう文句があっても無くてもしんどけよこの植物が って感じだわよねぇ 」

「代わりはいないけど。」

「いらねーよ でも帰りたいわよ 定時に。」

「わかるぅ~ 定時に帰りたいわよ 」

「とりあえず、あいつオフィスから時々出さない 雑用でもさ、オフィスから出てやる用事を、上司が言い付けた形にさ……だれか上司を言うなりに出来る人いない 」

「上司の弱み握ってる人ってことぉ プリッコくらいしか知らなーい 」

「ああプリッコねー。10年前、メロメロだった男がさー、今は偉くなったもんねー。………無理か。」

「いやそうでもないかもよ。私たちが知ってることを集めれば、弱みの一つ、二つ、三つ、出来ないかな 」


だれが思い付いたか分からない。上司が把握しているのかも分からない。

翌日、『お花レモンちゃん』は、来月中までに会社ビルの軒下の雑草を刈れと命じられた。





「整理券を取っとく それで日曜日に出掛ける 」

週末、ラインで会社の社員から伝言で、有名人がデザインしたタンブラーを買える整理券をもらう行列に並ぶように『お花レモンちゃん』は命じられた。

『お花レモンちゃん』が当然自分たちと過ごすと思っていた弟妹たちは、驚いた。

「オンラインチケットってやつじゃないの 整理券ってそれ違うの ネットってなんでも買えるんでしょう 」

「スマホでチケット映すと、イベント入れたり、物を買えたりするんじゃないの

「ねえ『オシベ』、『セント』、私、まだチケットって使ったこと無いんだよね。そういうとこ今度行ってみたい 」

『メイメイ』を揺らしながら『ネクタ』が言う。どちらかというとインドアな暮らし方の『ネクタ』は、イヤホンでモーツァルトを聞いて『メイメイ』の世話をしていれば一日経ってしまうので、まだ、人間社会の消費の仕組みについて、よく知らないことが多かった。

でも、『オシベ』にはまず優先したい心配事があった。

「もしかして、お姉ちゃんはモラルハラスメントっていう暴力を受けているんじゃないか 」

プライベートな用事は、休日は誰もがする筋合いではない。そんな用事が、人から人へ回されて、『お花レモンちゃん』のところへ回されてきたのだろうか。

ライン画面からは、真相は分からなかった。

『オシベ』の脳裏には、これから無限に、親密でも無い社員の用事を押し付けられ続け、『お花レモンちゃん』の時間が使われ続ける予感が流れ出した。

でも僕はまだなにも出来ない。

僕たちの生活を潰しに掛かってくる人間たち。僕はこの存在を、まだまだ勉強して、覚えなければならない。家族が危険になる。



ジョーカーは、植物星人からは出てこない。

エゴの中毒者は、人間から発生してくる。


虐げてもなにも人間側の都合に影響が無いターゲットにして、憎悪し続けてしまったことで、人間側たちに甘えが生じてきた。

人間たちの問題解決能力は使われず、向上せず、鈍り、錆び付き、凍り付きつつあった。


地球外生命体が、救世主であったなら人間たちには甘えが生じただろう。

地球外生命体が、悪の侵略者であったなら、人間たちは絶滅しただろう。

地球外生命体は、この通り、神にも悪魔にもなる気が無い植物であった。が、人間たちには社会現象としての甘えが生じつつあった。

もう全国各市町村にアビガン!!!(゚◇゚メ)ノ

自分で自分の前回の自然災害の文を読み直して……

よく考えてみたら、

みるまでもないけど、

これからいつものように全国各地で自然災害が何ヵ所か起こるのなら、

ますます アビガン を各市町村に置いてもらわないと、緊急時に患者が助からないでしょ。

コロナ対応する病院が地域ごとにあるのは知ってる。

でも、災害になったら、そこまででも行けない、

たとえ車で30分の距離でも行けない人たちは発生するよ

水害でも台風でも雪害でも自動車走れないよ

地震でも道路壊れるよ。停電になって信号光らないよ。

高齢者や、リスクのある人たちにもしもドンピシャの症状が出たら

「自分で運転して頑張って行ってね。」とでも言いますか

「だれか移動能力のある人見つけて 頑張ってそこまで移動できたらいいね 」とでも言いますか

当てのない独り身の高齢者に言いますか

子どもがいても、臨機応変な策を思い付かない、人の伝手も無い、私のような無知な庶民の子どもに言いますか

「どうするの 」と、問題を丸投げし返してきますか

それとも黙ってしまいますか

自衛隊はそういう時は別な業務でてんやわんやなんでしょう

なら患者は住んでるところにとどまりますよ

日用品を買いに、空いているお店を仕方なく使いますよ

いよいよ災害がひどくなって、避難所ここですよ、避難してください、と言われたら、せざるをえないでしょう。

私が患者ならそうする。だってだれも助けを求める人いないもん。

でも残ったら残ったで迷惑なんでしょう そういうことも少し知ってる。

解決はしないよ。でも、重症者を出さないために、患者の咳の回数を減らすためにも、クラスター出す確率を何パーセントでも下げるためにも、

せめてアビガンを市町村に配るくらいしか、今、できることないでしょう





マスクは表情が隠れるから、コミュニケーションが不足する、と言われてる。

接客業のお店が、大変な思いしてるのもこのへんらしい。

だから行動できるお店はフェイスシールドなり、アクリル板なりを、無理して導入をして感染予防に努めているという。

高齢化などの事情で動きたくても動けないお店はお気の毒としか言えない……。

そういうの、手伝ってあげる制度とか、繁華街の青年団みたいのが無いのかしら


今まで住んだ町で活動をお見掛けしたことがあるけど、お孫さんが出来てもおかしくなさそうな人がいたな……。

なり手がいなくて高齢化してるってことなのかな……。



最近気が付いたが、私は表情に乏しいのかというと、そうでもないらしいと思えてきた。

笑うと年相応に、目の周りにもう360度、シワができるんである。

目と目の間、鼻の山にもザックザクにシワが入ってる。

それで感情を伝えているらしい。

シワ、とは女性の変化の中でも、とても忌み嫌われる物というイメージがあったが、一つだけ、コロナ騒ぎで役に立っていたようだ。





つい最近までは、アップが金曜日で安定していたけど、遅れる理由をまだ考えていた。

先週書いた理由に加えて、暑い。

ごめんねぇ……

暑い。眠い。店も図書館も役場も閉まる前に利用する。そして寝ないと全部が回復しないんだわ。





野良レモンは香水なんて、全然興味無い。

身だしなみとして、くせ毛直しとか、柔軟剤を使った服とかから、ふんわり香れば、それで十分だと考えてる。

つまりは、汗臭くさえなければいいのだ。体臭さえしなければいいんである。

香水売り場にずらずらっと並ぶ、お高い物には普段は目もくれない。ブランド名も知らない。


しかし、香水で一つだけ「お 」と気を引かれるブランドがある。

若い時、今よりも多少、体臭が濃ゆかった気がしていたし、とりあえず世間を知っておこうと思って、デパートでテスターを嗅いでいたことはあった。そこで見つけた。

引越し荷物から出てこない。まだどこかにある。


ここから学ぶこと。

匂い、なんて、人間の内面にほとんど関係ない物でも、野良レモンすら惑わされることはある。

もしかすると、こんな香りをまとっている人が、悪い話とか持ち掛けてきたら、詐欺に騙される入り口に立ってしまうということなのかもしれない。

だから、逆に気になる香りは覚えておいて、意識して、危険の崖っぷちから逃げられる確率を上げておくことなら、やっておいていいのかもしれない。





扇風機の怪。

ある物を乾かそうと思って、久しぶりに扇風機に真正面から向き合った。

前の町の埃の塊がゴテゴテゴテゴテー…………

イ ヤ ー 

全部こそげ取りましたよ。

思い出した。引っ越し準備で、腕も腰も頭脳も限界だった。埃取りは省略して、ビニールでぐるぐる巻きにしたんだった。

扇風機分解、解体、なんてもう選択肢に無かったんだった。





ツーブロック禁止校則問題、知ってる

私はテレビで知ったけど、ユーチューブなどでも意見がつらつらと流れてくる。

こういう発想をする教員は、真面目、紋切型、四角四面、融通と想像力の無い固い頭……、そういう考え方ばかりが集まったから、こんなことになるんだと。

20年ぐらい前は、私もこっち側だった。

今は柔軟になったつもりは無いけれど、私が自然体でいたら病的に固い思考をしてしまうっていう特性を持ってることを、自分で知るようになった。





人工甘味料問題。

人工甘味料を避けたい話を、ずっと前に過去記事に書いたけど、ずっと前なのに蒸し返してなんかごめん。

糖尿病を予防するためには、食前に酢を取り入れるといいらしいとかなんとかで、酢を使った物のマイブームが、来ては消え、来ては消えている。

モズク酢の時期もあったけど、最近は酢のストレートジュース。安売りしてるお店を見つけて

やっぱり入っていたのね。スクラロース。

こんな私だから、普段の食事や、嗜好物には、人工甘味料を避けたい。

ブラックコーヒーのスティックはまだ続けているが、牛乳を混ぜてカフェオレを作る時に、「もしも練乳を混ぜたらどんな味なんだろう」とか、懲りずにまだ考えてしまう。

牛乳のこだわりの解除はまだ続けている。牛乳課金、てやつですね。


(6)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その6

一話目
二話目
三話目
四話目
五話目




花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。




通常、植物の発芽の際に、種子の殻は自然に外れて、落ちる。発芽が始まるまで胚を守る役目を終えた殻は、自然に取れると、『お花レモンちゃん』一家の全員が思っていた。

『メイメイ』の殻がまだ取れない。

殻がすこぶる頑丈なのかと言うと、そうでも無いらしい。『セント』『ネクタ』が発芽したころから見守ってきた『オシベ』によると、他の兄妹となんら変わりの無い殻だという。

でも、殻に耳を当てると、殻の中から「ガサゴソ、ガサゴソ」と、足を動かす音がする。

『お花レモンちゃん』たちが耳を当てていると、『メイメイ』は両手をパタン、バタンと振り下ろし、キャッキャツと笑い声をあげる。

「人間の子どもの育て方は、テレビにもネットにも情報がいろいろあって、歩くのが遅くても慌てなくていいとか、あれしながら待ってればいいとか、いろいろあるけど、植物星人の場合はなにも分からないね~。」

「でも慌てるっていつもしないから、『メイメイ』のことでも私たち慌てなくていいんじゃない

「うん。『メイメイ』は嫌がっていないし、機嫌がいいから、ぼくたちが悩むのもしたくない。」

「そうね……」

『お花レモンちゃん』は、弟妹たちの意見を聞きながら、自分も悩んでもしょうがないのではないか、という気持ちになりかけていた。でも、一つ、口に出して言わないと、胸に引っかかってしょうがない心配事はあった。

「四足歩行の動物たちって、出産で生まれてからすぐ歩き出すのよね。危険が迫った時に逃げられるように、生き残れるように、という理由だっていうのよ。」

「『メイメイ』両手使って転がってるでしょ。」

「でも、転がるよりも、走る方がスピードは速いよね。でもいつか殻が取れるでしょ。それまでは私たちが抱っこして守るわよ。」

『セント』が、みんなが思っていたことを代表して言って、一家は安心した空気になった。


夜。子ども部屋の窓は網戸になっている。

地球の植物同様、植物星人たちも、自然の夜風にさらされながら寝るのが自然体なのだ。

リビングは、朝まで開放してしまうと、空気中の水分が夜風に冷やされて落ちる、"夜露"が落ちてびしょびしょになったことがあり、さらに虫の死骸もいくつもあり、窓を開けないことになった。

フローリングのリビングが濡れていてもノーダメージで、植物には知ったことではないのだが、リビングは人間が来た時に招き入れる場所であるので、人間社会に適応したい『お花レモンちゃん』のルールとして、汚さないことにしているのだ。


「なーつーもー ちーかづーくー はーちじゅーう はーちーや🎵……」

『セント』と『ネクタ』は、テレビなどで人間の歌を少しずつ覚えてきた。

『ヨウヨウ』も一緒になって、まだ言葉のようには聞こえない声を出し、体を動かす。『ヨウヨウ』も、着実に人間の❝文化❞を吸収している。

「この歌はどういう意味なんだろうねえ。」

楽しいから覚えたけれど、この歌がどうして存在するのか、知らないことに、三人は気が付いた。

『お花レモンちゃん』が話し出した。

「人間はね、昔から植物の葉や茎をもぎ取って、……摘む、っていう言い方をしてるけどね。長持ちするように、乾かしたり、炒ったりして、お湯に溶かし出して飲むのが好きなのよ。とくに❝お茶❞って呼ばれる葉と茎には、人間の喜ぶ栄養がたくさん入っていて、人間の口で美味しいと感じる味があるって、大昔の人間が気が付いたの。人間の取りやすい場所を決めて、❝畑❞を作って、同じ植物ばっかり、たくさん植えてから、もぎ取ってるの。一番美味しい葉と茎が取れるらしいのが、2月から数えて88日目、だから嬉しいな、って言いたいんでしょうねえ。」

「❝お茶❞さんは あげるよ、って言ってるの 」

「さあ 水をくれて、日に当ててくれて、虫を取ってくれて、気持ち良く生かしてくれるから、嫌とは言わないと思うけれど、地球の植物ってなにも言わないから、黙ってまた伸びるみたいよ。ここの植物はみんなそうなの。なにされてもなにも言わない。」

どうして2月から数えるのか、とか突っ込むところがたくさんあることを、子どもたちはまだなにも気づいていなかった。

疑問にだれかが答えてくれた、それでもう、『セント』、『ネクタ』、『ヨウヨウ』の今日の知性の成長は好奇心の限りに伸び切った。

人間の文化が、着々と根付く。先祖が空から落ちてきて、地球上で生まれた、植物星人の頭脳に、根付いて育っていく。


「寝よう 寝よう 」「おやすみなさい……」

パジャマを着た6人は、ラグマットの上に並んで横になった。

夜風が花びらをわずかに揺らす。





ドン  ガシャーン ガンガーン


深夜のリビングに、雷のような暴力的な音がした。

窓ガラスを割って先にリビングの中に放り投げておいた缶を目がけて、人影がよじ登ってきた。リビングの窓の中に、黒いシルエットが出て来て、それは見る間に全身をあらわにした。

物音に目を覚ました『お花レモンちゃん』が、リビングに出ていくと、黒い人影が仁王立ちになって、ピンクの毛虫のぬいぐるみに粒状の物を振りかけていた。

「なに なに なに 」

ピンクの毛虫のぬいぐるみの大笑いしている大口に、粒状の物がザラザラと注がれていった。

「『お花ちゃん』 」

人影からは『お花レモンちゃん』に聞き覚えのある声がした。

その人影は、プリッコだった。

「なに なに 」

「自分が社会で受け入れられてるなんてね、働けば受け入れてくれるなんてね、大間違いなんだからねっ

プリッコの言葉を最後まで聞かないうちに、『オシベ』が『お花レモンちゃん』を子ども部屋に引きずり戻した。

「お姉ちゃん 危ない 戻って 戸を閉めて 」

『オシベ』と『お花レモンちゃん』が戸を閉めると同時に、扉の向こうからプリッコは体当たりして来た。

ドカーン ドカーン

「キャーッ やだこわいーっ やめてーっ 」「こわいこわいーっ 」「ギャアー 」

他の弟妹たちも全員飛び起きた。壁に身を寄せて泣いて怖がっている。

はっ と我に返った『セント』が、戸を押さえている兄と姉に気付いた。

「私も手伝う。」

立ち上がって近寄りかけたのを『オシベ』が止めた。

『近くに来るな 危ない匂いがする。この人間は毒を持ち込んできた 』

プリッコは力任せに戸を殴って蹴っていた。

「『お花ちゃん』が反省することなの 分かってる 植物星人が人間社会で暮らすってどういうことだか 植物が人間と暮らすってどういうことだか 『お花ちゃん』はみんなともっと仲良くしないと 分かっていないんだからあ 」


リビングの下の駐車場に、パトカーが到着した。

物音に気が付いたアパートの住人が110番通報した。

電灯の着いていないリビングの壁に、赤いライトと青いライトの光が入ってきてぐるぐる回る。

割れた窓ガラスを見つけた警察は、大家から鍵を借りて、窓と玄関と両方から手際良く入ってきた…………。





翌日、『お花レモンちゃん』は、普段は引き籠って出てこない上司たちの元に呼び出されていた。

「どうして警察には自分の過失だって話さなかったの ……ハクション……人間社会はね、忖度っていう思想があるの。……ハクション……いや思想っていうか仕事なの。忖度は。ビジネスマンみんなの仕事。言われてなくても先回りして、会社を守って当然なんだよ ……ヘックション 」

「気が利きませんでした。すみませんでした。」

「ハクション……ハクション……警察は民事不介入で立ち去ったから良かったけれど。……ハクション……植物星人は被害届とか出す立場じゃないでしょ。出してないんだよね 植物でしょ。もし出したら、あり得ないからね 出過ぎた真似するところだったんだよ 被害者ではありません ……グッシャン 」

「はい」

「植物星人に被害有りません。ストレスはありません ……ハクション……だから花粉も出ないよね 」

「はい」

「花粉は出てません ……ヘックション ……あのマスクの時代はもうたくさんだ。ワクチンが出来て終わったんだ……ヘックシッ

「………」

『お花レモンちゃん』は、コロナ新型肺炎世界的流行の時期を知らない。ネットで、過去に世界中の人たちがマスクをした時期があって、多くの人間がマスクがトラウマになっているという知識を知っただけだ。

「ヘックション……きみにストレスはありません。……ヘックション……花粉は出ません。だから会社経営に支障は一切……クシュッ……ありません。……ハーックション 」

「はい」

「戻って良……ヘックシッ……良し。」

「申し訳ありませんでした。失礼しました。」

取り押さえた警察がプリッコから聞き出したことは、『お花レモンちゃん』の弟妹たちをプランターの植物のように間引きしてみたかった、ということだった。

なんでも、谷に突き落として這い上がってくるように『お花レモンちゃん』を、人間社会の会社員として育てなければならない、だから間引きにも耐えられる強い心を持たせなければならない……………とかなんとか、ギャーギャー叫んだ後、除草剤の缶を引っつかんで、立ち去ろうとした。

だから、警察はそのままプリッコを逃がしてあげた後、『お花レモンちゃん』に被害届を出すか と聞いた。

しかし、駐車場に出て来ていた大家始め、アパートの住人たちが、「植物星人にはまだ政府が人権をあげていない。近所に植物星人がもっと増えて、自分たちが鼻炎や肺炎になったらどうしてくれるんだ 」と、口々に警察に詰め寄り、『お花レモンちゃん』がなにもしゃべらないまま、被害届の話も無くなり、その場は解散になった。

ただし、SNS時代なので後から、どこからなんの情報が出てくるか分からない。他人の家に押し入る行動をするプリッコが、他にも警察騒ぎになったことが無いか、会社に確認だけは入った。

上司たちは当然、不快極まりない気分になった。

だから『お花レモンちゃん』が呼ばれて叱責を受けることになった。


プリッコは、自分のデスクでスマホをスクロールしていた。

「もうちょっと……もうちょっとしたらプリは全部うまくいくんだよっ もうちょっとなんだよっ だってこんなに可愛いプリが努力してるんだもん。『お花ちゃん』が自業自得なんだよ。みんながムカつくんだよ。『お花ちゃん』が悪いんだよ。植物はね、間引きぐらいされても動じないの。気にしないの。『お花ちゃん』も慣れなきゃだめ 思い知らせてやるの だから襲っていいの。いいんだよね。プリは可愛いんだよ……雑誌見て、エステ行って、メイク道具買うし、流行ってる服も買うし、ネットで調べて好かれる婚活女子のこと真似してる。可愛くなる。勝ち組になる。だってプリはすごいんだもんっ……」





爆弾を包んだスライム その2

お医者は相変わらず、近隣の当事者たちや、二次障害やスペクトラムが重い位置の人達ばかりを診て過労しているようだ。

私のような地域の当事者に手の届く場所に、ケアを受けられる場所は湧いて出てこない。各種病院は今、コロナ問題に追われている。

働いていけない、収入の無い人は、生活保護。手帳がある人は、企業の障害者枠就労か、障害者支援の事業所で就ける種の職種。

無い人は、放置で、一般の普通の就労。

都会で、オフ会のようにつながり合っている人たちも、おそらく片付けを付き合うとか、引っ越しの荷造りの相談に乗るとか、子どもを安全に見てるとか、家の中にも入ってきてくれる支援をできる場合は、ものすごく少ないのではないかと想像する。

ネットは頼っても、多くても三行でしか答えてもらえず、具体的な救済に全然ならない場所や、

自己投影の爆撃が飛んできて、時間無制限勝負で自他の境界線をいかに派手に破壊して、自分の領地を拡大して植民地化していくかの戦闘地帯の場所しか、機能してない。

自己紹介でつながりあうのが、せいぜいの限界であり、
負担が楽になることを待って、待って、待って、待ってすがろうと、清水の舞台から飛び降りる勇気で決心しても、
結局は軽度当事者の大多数が、子どもが家にいない時間の合間を縫い、よそ行きの服を引っ張り出し、身だしなみを一生懸命整え、スマホと睨めっこしながら公共交通機関に乗り、道を悩み、悩み、たどり、初めて着く場所に汗だくで、緊張してたどり着くんだろうな。

むかしの私のように。(独身だけど。)


私たちは要するに晴らせない不満を、各種大量に抱えて、日々老いていっている。


具体的な治療効果が出るような支援が出来る、優しさと能力と余裕のある『優しい人』の在庫は、もう世の中には無いんですよ。

そこが、稀少な”在庫”を探し続けるメンヘラや、たぶん私の親も含めて、病んでる軽度当事者の我が子が一発逆転をしないものか、幸せになれないものか、
なんとなく社会に押し付けて、夢が叶うのを待って、待って、待って、待ち続けているような、
軽度当事者と関係があって、具体的に迷惑をこうむっている一般の普通の人たちとの、
認識の温度差が生じている場所なんだと私は考える。

もう❝在庫無し前提❞で、そこからスタートして、各種の問題をどうするか、

私は、ネットの軽度当事者が集まる議論の場では、それが話し合われて欲しいと、ずっと待ってきた。のに………。




ネットでは一説として、晴らし切れない自己主張は創作して世に出せ、という説があるが、

自分で遊びでやってみても、これも甘くないですぜぇ

遊びだから、自己責任でやってますけれど。

これこそ自己責任ですね。

自己責任ってやつを意識してますよ。


自己責任説、過去にもかの場所で注目を集めたようですよね。

自己責任の取り扱い方、

自己責任論の持ち込み場所、

掲示板に書き込んだ自己責任、

人を な じ っ た 、と評価を受けた文に後付けされたかのように発生した自己責任、

それで、自己責任説は結局どうなったのか、結論は出ないまま、

自己責任をテーマにした議論は打ち切りになってしまった経験を、

私たち、あの掲示板の参加者は経験しました。

「この場合の自己責任の線引きはここだ 」
「いや違う、あなたの認識は誤認知だ、自己責任はここからここまでだ 」
「あなたもあなたも違う、何人もの人が誤認知を起こしている、自己責任の線引きはこうあるべきだ 」
「誤認知誤認知
「誤認知誤認知誤認知誤認知誤認知

………などなどの議論を、日常生活の間を縫いながら、睡眠時間を削りながら、

参加者たちの興味関心、結論への探求心が満たされるまで、

書いて、書いて、書いて、書いて、書き合う日々を期待していた人たちはいらっしゃったのかもしれません。


元の文
「ネットの自己責任って、自分で『書きたい』って自己決定して書いたものに発生する、でいいんじゃないの」

主語決めつけ型
「『書きたい』って自己決定した時だけでは取れない責任があることがある。掲示板の人たちの総意のように言うな。」

自分語り型
「いつもこの掲示板に書く時は、ロムの人たちに身を挺して犠牲になり誠心誠意尽くすつもりで書いてます。自分の感情で『書きたい』と思って書いたことはありません。」

家庭事情申告型
「むかしから親には『自己決定なんて我が侭で生意気なことをするな』と暴力を振るわれてきました。そういう発想を出来ることがうらやましいです。」

斜め上から型
「世の中には思うことがあっても言語化できない人もいるんですが。」

独り言型
「うーん、『自己決定して書く』というのは一理あるけど、つれづれなるままに書かれた清少納言が好きなのはわたしだけ

一概には言えない型
「ネットのカキコにもいろいろあり、人に通じるコミュニケーションはなんでも言語化、だけじゃなく技量があればポエムで匂わせる非言語な伝達もある。一概には言えないかと。」

クオリティ追求型
「『自己責任』を取るカキコが『自由な自己決定による』というなら、比較対象としてビジネスのメールの責任論にも言及すべき。」

〇カ「『自己責任』取らないの ならネットを全部やめてしまえばいい。」



………疲れた。ここまで書き出せる自分が結構アホだと再認識した。


もうあるらしいですが、こんなリツイートを考えてしてくれる機能のアプリを使えば、自分の代わりに8個のリツイートを投下して、エンジョウ起こせそうですね。ツイートってもう果てしなく戦闘地域じゃないですか。

あの掲示板のように、軽度当事者が集まっているツイッターのハッシュタグの中って、どうなってるんでしょうね。

やってなくて良かった。私は寝る。


これからの時代で、ネットで、『癒される』まで、なにか書くって、可能なんだろうか

『癒し』と『情報収集』のつもりでインターネットを買った軽度当事者は、きっと野良レモンだけじゃないと想像する。『癒し』機能が無くなったら私たちどうなるの もっと二次障害で病むの

正義に反するものは集団ヒステリーでいくらでも叩き潰していけるという精神状態が、ますますネットの中の人たちに加速するんじゃないのかな。



たぶんそう遠くない時代に、

たぶん未来の、野良レモンがまだ生きているであろう時期には、

ちゃんと心療内科などのお医者たちが、

精神が病んでいる人たちが、創作物を書くのを待たないで、

空想や、不満や、自己顕示欲などの『不燃ごみ』のような思いを、

ちゃんと向かい合って聞き出してあげなければならない時代が来るような気がする。

今までは、私に対応したお医者の一部のように、投薬や犯罪に該当しない症状は、ひたすら、沈黙して、反応なしで聞き続け無言で、私が罪悪感で立ち去るまで待つ、という『無視』が、『傾聴』という名称で、いくらでも使われていたと思われる。

もしなにか書いている、造る、歌う、踊るなどで表現している患者がいたのなら、たとえ食うや食わずでも、家族を泣かせてまで依存していても、
制止せずに、医療やカウンセラーは、引きつった笑いで傍観し続け、応援する振りして、距離を詰めずに眺めていただけだったろう。


しかし、無料のネットサイトを見て回るだけでも、

表現の欲求がある人たちの、表現した物って山のようにあるじゃないですか。

私は、回線接続料だけの無料の場所しか見ない。怖いから。

フェイスブックも、インスタグラムも、ラインも、表現の場らしいけど、見ない。IDやパスワードを増やすのが怖い。お金が掛かるのか掛からないのか、分からない場所が怖い。

表現の場所として、IDやパスワードがあって、申し込んだ人が見られる場所っていうのも、他にもきっといろいろあるんだろう。

そんな場所で、大量の創作物が、披露されて「イイネ」をもらっているんだろう。

私はまだニュースでしか見たことが無い、コミケという場所。何万人が来ると言う場所。逆三角形のガラスの建築物が象徴的な場所。運営スタッフは世界的に見ても優秀な人たちだといわれている場所。

そこでも、この日のために命を懸けてきた人たちが、表現している。

そこまで、漕ぎつけろと

精神疾患を取り扱った本によっては、

公募に応募しました  賞を取りました  回復へ向かいました、

の事例が載ってるものもありますが、何千人に一人しか当たらない❝当たり❞をだれもかれもが当てに出来るわけないですよね~。

いや、サクセスストーリーとしては、「わーお、スリリングー、ハッピーエンドー、良かったねー 」って楽しめますけどさ。

病人が ❝当たり❞ を待っているうちに、意識の乖離とかで、正気じゃ無い時にとんでもない危険行為をやって、目が覚めたらもう天国にいた、ご先祖様たち怒り心頭、「うっかりミスにもほどがある 注意散漫もいい加減にしろ 」天国なのに大叱責を受けるなんてことも無いことは無いかもしれません。

精神疾患によっては、夜寝て朝起きただけでも、気分が全く変わってしまう場合がある人たちにですよ

一食、物を食べただけで、気分のベクトルがどこかへ向かって飛んでいくかもしれない、一寸先が分からない症状の人たちにですよ

医療は、病んだ人たちがなんか頑張って、世間から、注目をされるところまで、果たして待てるのでしょうか。

やっと表現する創作物を書いて送ったと思ったら、被害妄想が暴走して応募先を襲いに行ってしまうなら、元も子もないじゃないですか。



ネットで、マイナスの自己開示をしやすい時代に、すでになってると思います。

未婚の人たちが増えることで、問題を抱えていても解決しないまま、誤魔化し誤魔化し、好き勝手、気ままに生きる独身者はますます増えます。

メンヘラは、これからますます増えるってことでしょう。

アダルトチルドレン、ASD、HSP、HSS、HSE、教養が無い私が知り得ただけでも、いくつもいくつも言葉が出てきました。

癒されるためには、衣食住とお友達と家族と薬の他にも、過剰に過激にチヤホヤされる場がないと飢えてもの足りないことを多くのメンヘラが自覚し始めています。

これからの時代、そんなメンヘラはもっと増える気がします。

自制、を、方法は間違ってることがあったとしてもそれなりに教えられていた 昭和 は、終わったのです。

医療は、なーんも、手を打たず、自制と正気を失った患者たちが運ばれてくるのを、いつまでも待ってる、でいいんでしょうかね。これから、それじゃ済まない時代になって行くような気がします。根拠は無いけど。





ロッピィの募金先、九州も入れて欲しいよ。

私の募金手段で、一番手軽でやりやすいのが今のところロッピィなんだよね。

毎年、だいたい3カ所以上は、国内のどっかこっかで、もんのすごい自然災害で都市機能がやられちゃうでしょ。

春、こんな感じでひどい。秋の台風もひどい。真夏や冬の爆弾低気圧もひどい。

それが国内のどっかこっかで、とっかえひっかえでしょう。

そのたびに口座の数字とか、振込先とかネットでテレビで見て書きとめたり、郵便局の窓口で「すいません、〇〇県豪雨災害の募金やってますか……」と、モジモジ頼むのもねぇ、……ここまで生きてくると少々の経験は積んだけれど、……気持ちのスタミナを年々消耗しやすくなった。
窓口行くの、気を張るんだよ。

1カ所に気持ちを送らせていただいた後、2カ所目、3カ所目が出た時に、同じ動きが出来るかっていうと、私たちは難しいし、でも一方で気持ちはお気の毒で心配なんだよね。

私も地震で全国の人たちの優しさを目の当たりにした被災経験者の端くれだから。

ロッピィ、小額から選べる。

上限額が一万円だけれど、もっと出したければもう一回手続きする、という方法もある。ただ、恥ずかしいけどね。

あと、ローソンのウェブサイトでも募金先を見れる。「募金受け付けサービス」というページがある。(リンク貼らないよ。簡単だからね。)……増えてないなあ。





やっと今週は、市販薬無しで、身体に余計な物つぎ込まないで、眠れた

起きた後も、ちょっと眠たい。

暇が出来ると、眠たい。

食事の後は、眠い。


わーい いつもの私の体調だぁー嬉しいぞーう

まだ、全回復とはいってないけれど、私の神経系というか、自律神経が、戻りつつある。

そうだよ。寝るんだよ


アップが遅くなる原因も考えた。

身体が寝落ちしやすくなったこともあるが、

町内と、近隣の町の使い方もだんだん覚えてきたから。

地方の町は、店も病院も公共機関も、営業するものなんでも、早く閉まるんだよね。だから早く動き出さないと、したいことが片付かない。

前の町と、引き続き同んなじだなあ。思い出してくる。安心要素だよ。同じ暮らしが出来つつある。ごめんね。


(5)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その5

一話目
二話目
三話目
四話目




花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。



『お花レモンちゃん』は、家の弟妹たちに、新聞を取ることにした。

弟妹たちは、知らない言葉や情報を見つけると、自分たちでスマホやテレビから調べることが出来るようだったからだ。


「これなあに

試しにコンビニで買ってきた新聞を弟妹たちに見せると、中身も見ているが案の定、新聞紙を手で触ってみて、ひらひらと波打たせてみて、興味を持っていた。

『木』という、地球の植物の大先輩の亡骸から出来たことを『お花レモンちゃん』から説明すると、全員、固まって聞いていた。

「人間はね、地球の植物を、刈って食べるだけじゃなくて、こうやって情報伝達にも使うの。『木』は、根から枯らされてしまうんじゃなくて、切り株が残されて、そこからまた黙って、生えてくるの。それが地球の植物の使われ方なのよ。スマホのように、ダウンロードを待たなくても、大量の知識が読めるのよ。社会の中の人たちの、裕福な人たちのことから、貧しくて困ってる人たちのことまで、まんべんなく、知れるの。スマホのように、好きな話だけポチッとして読んで、終わりじゃないの。人間社会のことを知るには、今は新聞のニュースがちょうどいいんじゃないかと思うの。」

「ああ、良かった。新聞になった『木のおじいちゃんたち』は、しんでないんだね

『オシベ』『セント』『ネクタ』たちは、気を取り直して新聞を読み出していた。『ヨウヨウ』は回りをグルグル走り回っていた。

走る時に抱え歩いていたピンクの芋虫ぬいぐるみは、抱え疲れた『ヨウヨウ』の手から、いつの間にかリビングの床に滑り落ちて、転がっていた。

「毎朝、届けてもらうように注文していいわね。」
「すごい。毎朝読めるの
「テレビでも勉強、スマホでも勉強、それに新聞でも毎日新しい勉強ができるんだ
「勉強いっぱいできる



家の中の家具配置を考えた。

リビングは、人を入れるかもしれない場所だから、フローリングのままにする。花粉が落ちる家だから、掃除がしやすい。

水の食事はリビングで飲む。こぼれても拭きやすい。キッチンテーブルなんて無い。

二つ目の部屋の中に、子ども部屋を作る。テレビを置く。家具屋へ行く。引き出し型ケースボックスを買い、弟妹たちの服を揃える。

大判のラグマットを買う。布団が要らない『お花レモンちゃん』一家は、ラグマットの上に6人で寝る。時々花粉を洗濯機で洗う。

『ヨウヨウ』が走り、『メイメイ』が転がって遊ぶので、アパートの下の住人に迷惑を掛けないように100均で、ジョイントマットを買って子ども部屋に敷き詰める。

キッチンコンロもレンジも冷蔵庫もいらない、ソファも、飾りもいらない、ミニマリスト風で、見掛けは人間で言うおままごとのようで、でも満たされてる家。



『お花レモンちゃん』の会社。

後ろから、年若い男性社員の肩を叩いて、中年男性社員たちが小声で忠告してきた。

プリッコが週末の婚活で手痛い敗戦して来たらしい。敗戦はいつもしているけれど、今回若い女性に取られた相手は、海外と日本を行き来する富豪のお医者だったらしい。

「ちょっかい出されないようにな。」
「どうしたらいいかを、うまくやれよ。うまーく。」

「うまくが、さっぱり分かりません。」

「オレたちに都合悪くなく。」

  ……直接の業務連絡をするなと言うことですか

書類を運びながら、廊下で若者と中年の男性社員たちは会話を続けた。

「いや違う。業務連絡して当たり前。しないとか社会人として恥ずかしいこと。」
「オレらも知らない。っていうかどーでもいい。」
「ていうか、ねーねーキミ彼女いるの

「いないです。いりません。」

「なにが趣味なの 車とか

「持ってません。いりません。」

「じゃなに楽しみなの お酒は

「飲みません。」

「じゃ休みなにしてるの どこ遊びに行くの

「遊びません。」

「じゃなにしたいの

「家で自由にします。」

だから意見も考えも無い。社内が協力し合っていなくてもどうでもいいし、関係ない。

「最近増えてるって噂は聞いてたけど、こんなミジンコ系男子って呼ばれる人、本当にいるんだな。」
「今どきの教育は欲とか無くてもいいものとして教えてるのか

若い男性社員は書類を届け終わり、中年男性社員たちと別れて、デスクへ戻るために、扉を開けた。

バインダーとリモコンが飛んできた。派手な音を立てて扉にぶつかってから、二つとも彼の足元に落ちてきた。

鬼のような形相のプリッコが、『お花レモンちゃん』の胸倉をつかんで揺すって叫んでいた。

若い男性社員は扉に手を掛けると、そのまま閉めた。

若い男性社員が戻ってきたのは一時間後。

プリッコは『お花レモンちゃん』を立たせたまま語り続けていた。

「人間の仕事っていうのはね、心と心で解り合って進めるものなの。『お花ちゃん』が人間の心、解ってないの、自分で分かってる

「すみませんでした。」

「謝れとは言ってない はい、かいいえ、で答えろと言ってるの 」

「ブエックシッ………ヘックシッ………」「……ハックション……ハーックション

『お花レモンちゃん』にストレスが掛かると、花粉が増えて、オフィスの社員たちのくしゃみにますます拍車がかかる

「これからもっと分かるようにします。」

「何か月経ったと思ってるのよ プリたちがどんな気持ちで許してあげてるか分かってる どんなに迷惑掛けられてるか分かってる ねえ『お花ちゃん』は自分がハラスメントされてるって思ってるでしょ ねえねえ思ってるでしょ ねえねえ 違うんだよっ なにが違うのか『お花ちゃん』に伝わらないのが腹が立ってしょうがないの

プリッコはくしゃみが出ない。


オフィスの社員の一人が、口をハンカチで覆いながら、年若い男性社員にそっと耳打ちした。

「来月予定だった、ハックション……同じ系列の会社と合同でする案件ね、向こうの社との打ち合わせ資料作りに要るデー、ハックション……タを、もともとプリッコさんに集約するはずだったの。でもしてなくって、……ハーックション………案件担当者もプリッコさんに確認取ってなかったのよね。だから打ち合わせの資料、ハックション……の下準備ができてなくって、午後に私たち全員と上司に見てもらいながら手直しして仕上げるアポを取っ……ハーックションていたのに白紙になって、上司は出掛けたい用事があったのに、わざわざ日にちをずらしていたのに、ハックション……白紙になったってだれも言いに行きたくなくて、プリッコさんが植物星人に責任取らせようとしているの。……ハックション……ハーックション……だから午後は違う動きしてていいわ。」

「ふーん、じゃ関係無い……ハックション……関係無いですね、ハーックション 」

オフィスの空気は、『お花レモンちゃん』のせいにして責任を押し付ける方向で、賛成の空気というか、思考停止することに決定していた。

でも、具体的にどう上司に話をさせるのか、だれも考え付かないので、『お花レモンちゃん』に考えさせたがっていた。そう命ずる役を、全部プリッコに任せて、その場の社員全員が無視を決めていた。

「みんな『お花レモンちゃん』と仲良くなりたいって、だから『お花レモンちゃん』が会社を嫌っても、嫌っても、許して、受け入れてあげていたのに そうなんだよー みんなそうなんだよー だからどうして自分の性格の悪さを認めないの 認めて謝るところから始まるんだよコミニュケーションって 」

「コミニュケーション」の間違いなんて構ってる暇も無く、なにも知らない上司がアポどおり、オフィスに打合せ資料の手直しと仕上げの指示を出しに来る時間が、こくこくと迫っていた。

業務として関わっていない『お花レモンちゃん』が根拠の無い冤罪を引き受けるように責められる、という準備だけが準備されていた。

「すみませんでした。すみませんでした。すみませんでした。」

人間たちの言い分は全面的に肯定しなければならない。


植物星人だから。


植物星人だから。





さかのぼったデータ集めにオフィス全員の残業になった。

身体を動かして気分転換をしたい社員たちと、年若い男性社員が、夕食代わりの軽食を買い出しに行った。

『お花レモンちゃん』は水で食事になるが、新入社員の心掛けとして「行きます。」と申し出た。でもくしゃみが出ない場所で身体を動かしたい人間の社員たちに断られた。


オフィスに来た上司は社員から、するはずだったことができない説明を聞き出しながら、くしゃみを連発した後、『お花レモンちゃん』がみんなにくしゃみをさせるせいで、業務の連携が取れなかったという理解に落ち着いた。

社員の結束の足並みを乱す責任を痛感するように、とかなんとか『お花レモンちゃん』を叱責した後、事態を修正するなんの指示も出さないまま、いなくなってしまった。


電灯やビルや行き交う自動車のライトで明るい夜の街を歩きながら、社員たちはプリッコの話をせずにはいられなかった。

「こうやって、だれかを巻き込んで感動巨編舞台を作っちゃったんだよな。」
「担当のターゲットをだれかに注目させて怒らせてから、心を入れ替えるように迫ったり、自分だけいい人になって恩を売るとか。何人も。」
「そう。感動巨編の主役になりたい。しかもみんなで舞台をしたい。」
「10年前からずっとだ。寂しいんだろうけどこっちは大迷惑だ。」
「帰りたい。定時に帰りたい。」
「また帰りたい、をみんなで言わなきゃいけないなんて。植物星人のせいだ

『お花レモンちゃん』が目立つから。プリッコが絡みたくなっちゃったじゃないか。

植物星人のせい。悪いのは植物星人が会社にきたから。



10年前、コミュニケーションスキルが高い社員がいて、酒の席でプリッコから聞き出した発言があった。

すぐにはばれない業務をわざとしないでいたり、連絡を回さないなどして、集団でターゲットを責めるように仕向けてから、ターゲットを辞めさせたり、病気にしたりした履歴を、

面白ろおかしく順番に並べてから、「首謀者はぜーんぶ、プリッコちゃんだね すごいね 怖いね 」と、おだてて調子に乗せるマジックを使って見せたのだ。

「わたしは知り合ったらみーんなのこと知って調べて構って食べちゃいたいの きゃはっ

プリッコは、珍しく自分の有責を認めた。


これは、伝説に残る爆弾発言として、スキルが高い社員がいなくなったあとも社員に語り継がれていた。

そして、彼らが軽食を買って会社に戻ると、

プリッコは、退勤していなくなっていた。





深夜。

会社から電車に乗って通う距離に離れている『お花レモンちゃん』一家のアパートに、人影が近づいていた。

ガシャガシャン……ザラザラ……大きな缶と、缶の中から粒状の物体が立てる音が響く。

人影は、大きな缶を持ち歩いていた。

「『お花ちゃん』に犯人扱いされたの~ 責められたの~ えーんえーんえーん………ウフフフフ……大事なお仕事仲間の『お花ちゃん』の大事な物を壊したりしないよー……ウフフフフ………除草剤持ってても、ただのお塩持ってても、プリじゃないよ 信じて アハハハハハ………みんなとの話し合いを助けてあげたじゃん。他の人にあなたからなじんで行かないから構ってあげたのに………アハハハッ……そんな恩知らずなんだあ……アッハッハッハー 」

妄想が暴走したプリッコだった。
自分でトラブルを仕掛けておきながら、『お花レモンちゃん』にこれから言い負かされるかもしれない、報復されるかもしれない、という被害妄想も同時で膨らんでいく。

妄想の恐怖の自給自足、その結果………………




爆弾を包んだスライム

爆弾を包んだスライム
 
グレーゾーンな私たちは、一般の普通の人たちだれでもするミスをし続けるがために、

人の出方をうかがい、言うことを聞く。自分を抑えて合わせる。


私たち一人一人は、とても目立たない。

一般の普通の人たちから、どうでもいいと思われる。

しかし、ミスを防げない特性ゆえに、あらゆる意地悪な人たちから狙われる。

それが問題なのだ。

パーソナリティに問題のある人、承認欲求が満たされない八つ当たりをしたい人、成育歴で傷を負って来た人、etc……。

取り返したい承認、やり直したい関係性、それらを投影した都合のいい  として利用される。


そこで、私たちは目立ってしまうし、苦しまされてしまうことがあるのだ。

私たちがミスを始末する時に構ってもらうために、分からないことを教わるために、関係性は切れないし、脅されても従順に従うか、黙ってしまうしかすることが分からない。

その私たちのザマは、第三者の一般の普通の人たちから見ても、見苦しく、無様で腹立たしい。


それは大迷惑なことなのだ。

自分の傷を感じやすい私たち当事者当人はもとより、

近くで関わっている複数の人間たちも巻き込まれて、大迷惑なのだ。

何年経っても、何十年経っても、そんな大迷惑な立場から、抜け出せない。

当事者当人も、関わる複数人たちも、いつまでも終わらない。



繰り返すが、私たちの一つ一つのトラブルは、平凡で取り立てて注目されるものではないものが圧倒的に多い。

一般の普通の人たちなら、経験を積んで、ミスらないように習得して、だんだん無くなっていくミス。

だから目を引かない。

でも私たちは無くなって行かない。

それどころか、時々ビックバンのような巨大なミスもする。

周囲からは、反省を次に生かしていないように見える。

でも、一つ一つのミスは独立していて、原因はバラバラなんですけどね。少なくとも野良レモン自身はよくそう感じてきた。

ミスが無くなって行かないことを悟り、俯瞰して、卑屈になると、一般の普通の人たちからは共感をますます得られづらくなる。


でも私たちが自分の神経の限界を守りたい意志がうかがえる物言いをすると、『上から目線』の評価を受ける。

私たち自身が壊れても叱責される。守っても反対される。

守っても。守らなくても。壊れても。どーでもいい。

普通と同じじゃないから。



一方で、

私たちが自分の  を探し、迷い、彷徨い歩くザマは、目立つ。目障りになる。

私たちに自分を知るために、を探す人権は、無い。

自分で探しても、同じように探している自分探しの迷子の人たちとしか出会えない。ネットで探したらSNS戦争になる。

受け身で待ってても、だれも私たち当事者の代わりに探してくれて、手を引いて連れて来てはくれない。

もしネットで問題を起こしたら、親族中からネットをやめろと言われるだろう。問題の元を禁止して蓋をするしか無い。野良レモンもすでに親から言われたことある。

ここ10年以上は問題の内容を知らせたことは無いけれど、過去があるし、私の気質からそれなりに良くない傾向を察してくれているんだろう。野良レモンが数々の特性ゆえに一般の普通の社会になじみづらい問題の、代替の手段は皆無だけれど。



生きていたらその次になにが起こるのか。忍耐していたら、次はなんなのか。

棚からスイーツが出てくるように、だれか優しい人と都合良く出会うわけでは無いのである。

私たちがこうして忍耐していても、一般の普通の人たちは関係無いから、なにも感じないらしい。

だから一般の普通の人たちは黙っている。だから、私たちも人間社会とつながり続けることを諦めて、ただ謝り続けるよう命じたいらしい。

私たちは要らない。どうでもいいんだそうだ。野良レモンは、十代の時からそう言われてきた。覚えてる。



今で言うなら、ネットの知性が無さそうな場所で見られる『ちょっと何言ってるか分かんない』の煽り文句のような物言いをされて、私は突き放されてきた。

私の気が済まなくても、人は人で、他人を構ってる暇は無いし、構う気も無いから、私のことは無視して忘れるんだそうだ。覚えてる。



私たちは見えない。聞き取れない。

自分の置かれた立場は、認知障害だから、視覚で見て取るようには、見えない。こんこんと説明された話を、耳で聴きとるようには、聞き取れない。察せない。

まるで360度を壁に囲まれた箱の中に閉じ込められたように、見えない、聞けない、知らないまま、私たちは、無視されて忘れられる。

それでも『平凡さ』という着ぐるみで隠されているため、目隠しになって、私たちは発見されない。知られていない。


教えても、教えても、教えても、頭脳にも、運動系の能力にも、覚えたくないことは入って行かない私たち。

そんな反応の無さが、自分でスライムのように感じることがある。

しかし、スライムの中を掘って、掘って、搔き分けて搔き分けて、搔き分けて行っても、その中の本性には抑圧されたストレスや反動を溜めに溜め込んだ、爆弾しか眠っていないことがある。

成功や賞賛を感じづらい特性であればあるほど、過去の記憶は爆弾にしか化けないのだ。

なんかすっごい化学反応起こして、奇跡的な原子結合の変化起こして、素晴らしい能力や魅力に化けていることは無いんである。

だって私たち、エジソンのような天才じゃないもの。平凡な庶民だもの。

だからなにも無いの。

だから困ってきたはずでしょ。


今までの人生の中で、認知を適応的に、健康にする訓練と評価と賞讃があれば、こうはならなかったことは現在、若者と子どもたちが証明しているのに。




知られていないことを、結束して、協力し合って社会に知らせるために、私たち軽度当事者たちは、インターネットを手に入れ、発信してきたはずだ。

それが、夢を捨てて、ネット内を観察し直してみたら、

現実社会という小さな箱 からインターネットのバーチャルな世界へ出てくる乾いたモンスター ばっかり

ネットの人たちは本性を現して血を求めて牙を剥く モンスター になり果ててばっかり。

ねえ想像つくよ。子ども扱いからやり直して欲しいんでしょ 

求めればいいじゃないの。

それは危険な中毒薬物のようなものにしかならないけれど。






ゆうべは書く前に寝落ちした。ごめんね。

市販薬無しで寝られる時はチャンスなので、眠れるだけ眠らなきゃならない。身体がそう要求してる。

肉体労働して疲れたのもあったんだろうけど、自然に眠れるいい体調の波も来たのかもしれない。


過去記事で、違うカルチャーを入れたい、と書いたが、ためしに図書館へ行ってみた。

前の町のより小さい………。

夕ご飯前に閉まる………。

でもやっぱりいい。むかしながらの本、いい。ネットは短い、思い付きの情報が溢れてる。バグってドカーンとアクセス数を稼ぐ目的のネット情報と、そうでない目的の本は、やっぱり作りが違うね。

マンガ3冊と文庫1冊借りちゃった。期日までに読み切れなさそうな気がするけど、いいの。

あるだけで癒される。





私たち軽度当事者の多くが嫌いな、出勤。仕事じゃないの。仕事嫌いじゃないの。身支度して出掛けて行く一連の作業が嫌いなお仲間はきっといると想像する。

ある日、出勤に掛かった時間が、いつもの計算よりも5分多く掛かっていた

ワープのようだ

どういうこと

遅刻はしなかったけど、こういう想定外は、不気味だし腹立たしい

あとからもジワジワジワジワ、腹立ちを思い出していた





某筋肉タレントさんがおめでたいことになったね。

そうか、そんなに歳いってたんだね……

だ い た い 野良レモンと同じ世代だよ。

ちょっと変わった特性があるとかなんとかで噂になってたことはあったけど、

仮にASDが薄―くミックスとしてたとしても、

お嫁さんがきっとうまいんだろうね。コミュニケーションが。

かぁわーいーなー お嫁さん。


もしもマイルドヤンキーの人たちのように、とても早く子供を持つ人生だったら、

娘の年頃ですよ~ 大事にしなきゃですよね。




ユーチューブで勉強した情報によるけれど。

現代社会(歴史でずっとか)のミステリー、

男女かかわらず自分の恋愛相手をいじめ続ける人がいる謎について。野良レモンも謎で、存在自体が恐怖なので書き出して見る。

やつぱり発育段階の家庭環境に原因がある。

ちょっとメンタルヘルスを齧った人達ならかなりおなじみな話だ。

『相手が、いじめられることで愛情表現が増加したり、ジェットコースターのような恋愛をする戦意増幅する』、はずが無い。

ちなみに現代社会は土地開発と治安が整ってしまったので『魔法使いが操ってるドラゴンを見張りに付けた城の中で閉じ込められていたら、王子様が自分のために戦って助けてくれた』とか『ヤマタノオロチにおやつとして差し出されたら、通り掛かりの放浪のヤンキーがオロチにお酒を飲ませて助けてくれた』とか、もうそういうプリンセスな感じのは実現しません。

中毒になりそうな量のアドレナリンやドーパミンは出そうですけどねー。

そんなのは創作物のファンタジーだ。


ちなみにお酒を飲めるお店のサービスにアドレナリンやドーパミンサービスを求めるのはまだやめときなさい。感染怖いよ

こんなに危険なのになんで何日も感染者が出続ける繁華街があるのか。

対策が足りない、ガードなどもしない危険なコミュニケーションをしないと、お客のアドレナリンやドーパミンを出せないやり方のサービスのお店があるからじゃないの

なにその共依存



……というあるあるをなんでここに書くのか。


対人意欲が満たされずに飢えて、有り余る攻撃性

代理で向けられるのが、私たち弱者の どんくさい 軽度発達障害当事者たちなのだ。

もうたくさんだ

と、たぶん20年前からネットに書いているけれど。

ネットの中では当の軽度発達障害当事者たちも軽度発達障害当事者を、防衛機制の発散先として狙うし。



このまま未支援の情念の排出処分サイクルを、次の軽度発達障害当事者の子どもたちや若者たちに向けるのか

軽度発達障害当事者の子どもたちや若者たちからあと何人生け贄を出すのか


どれもこれもだれもかれも、『人生で偶然に出会える本当に心優しい人』に出会えると解決するっていうのが理想の解決方法だと言われているけど、

今の世の中の仕組みとして、そんな具体的な治療の能力がありそうな『心優しい人』っていう人は、

横からかっさらわれてどこかで嫁の勤めかなにかで独り占めされている、

介護や保育・教育・福祉の現場でブラック労働しなくてはならなくて24時間の大半はどこかに隠されていて存在が見えない、

で、私たちはいつまで待っても癒される順番が来なくなる、
などなどっていうことが、

少なくともここを読んでくださってるような弱者側の軽度発達障害当事者の大人たちなら、だいたい体感していることと思う。


だから野良レモンの願望としては、

もう偶然を当てにするのではなく、そういう『心優しい人』を育成したら、

❝役職❞として手の届くところに配置して、私たちをケアしてもらえるようにしてもらう
、ということ。

公務員扱いでいいよもう。安全じゃないと地方の隅々にまで人材来ないでしょ

『知り合って、認められて、仲良くなって行って、受け入れてくれて』のプロセスはドーパミン出そうだけど、でももう踏めないけれど、

私たちにも、基本、時間は無いんですよ。

余裕は無いんですよ。

余力も無いんですよ。

チャンスも無いんですよ。

労働あるの。フラッシュバック冷ます時間が要るの。若くなければ病院とか行かなきゃならないの。デカい総合病院だと1日取られるの。HSP入っていたら外は、神経が磨り減る危険地帯なの。

ASDもミックスで入ってたら、人の誘いを真に受け過ぎて失敗するから、怖くなるの。受け身で優しさを待つことしか出来なくても、仮に「優しくしてあげようか」なんて怪しさ満点のこと言われたら、そっぽ向いて立ち去らなきゃならない、敏感な特性の人もいる。

だからこうでもしないと行き渡らないじゃないですか。

優しさが。

コミュニケーションが。


地方の隅々、といえば、アビガンはいつ全国市町村に配置してくれるのか

もしものことがあったら、一時間でも早く投薬して欲しいじゃん。特に私たちの親世代には

親がまんいちになって、地方のお医者たちに「デモデモダッテ」されようもんなら子どもの私たちなにするの

私たちに手際の良い交渉能力なんかあるわけ無いでしょう

アビガン






過去に作った造語で、

中途診断二次障害野良当事者団教育支援適用済み当事者団という造語を使っていた。

なんで作っていたか。

作った頃は、掲示板の中で、

野良レモンのように支援も医療も「いらないよ」と言われて、困難があるのに受けられなくて困っている当事者と、

教育も、医療も支援も受けられていて、なおかつ新しい人間関係に挑みたくて、でも満たされなくて困っている当事者たちがいたように、

私には見えていたのだ。

だから両者が話し合うと、合わない合わない


しかし、このブログを書きながら、人さまのネットの書き込みを眺めるだけの観客になって、年数が経って、

やっぱり重要な問題はそこじゃないんじゃないだろうかと悩み、使いづらくなっていった。

で、この言葉を使うのをいったんやめようと思っていて。


なんで使うのをやめたいと考えたか。

支援を受けられている、受けられていない、の区切りから、別な視点で区切りを探して、

共感を呼んでいくことはできないだろうか、と。モンモンと考えていて。

でも、別な視点、てなにか、と、

共感を呼ぶ目的はなにか、

と掘り進めていくと、なんなのか自分でも言語化が難しくなっていって、

「書き分け、やめるー」ときっぱり言う踏ん切りがまだ付かなかったのだ。

やー、難しいわ。まだまだだ。私も。


(4)100%たとえ話『植物星から来たお花星人 お花レモンちゃん』その4

一話目
二話目
三話目




花びらの中から出ている顔でコミュニケーションを取りながら、元気に花粉を振りまき、花の香りで蜂が寄ってくる、お花レモンちゃん。地球の人間社会に適応しようとしてる。

暖房と水のある家に住み、養分のサプリメントを買うために、企業に入って働きます。




「おはようございます。有休をありがとうございました。」

『お花レモンちゃん』はお辞儀をしてオフィスに入る。

少しだけいた人たちが、「ハークション」とくしゃみを始める。社会人のお約束、お返しの挨拶なんて植物星人には返って来ないものになった。

それから次々に出社してくる人たちが、入るなり「ハークション」と合唱を始める。

『お花レモンちゃん』は、ショッピング街で買ってきたカステラを机に配った。

悪意は無いけど机の間を練り歩く『お花レモンちゃん』の周囲2m以内の人たちはくしゃみが止まらない。

わざと『お花レモンちゃん』の視界に入る位置のゴミ箱に、個包装されたカステラが飛んできて、一発でホールインワンした。

周囲の人たちから小さな拍手が湧く。

『お花レモンちゃん』は拍手をした人たちに「すみませんでした。」と、カステラを配ったことも謝罪した。無視され、反応は無かった。


席へ戻った『お花レモンちゃん』の元に、バタバタバターッっと派手な音をさせて飛び込んできた、人影があった。

「『お花レモンちゃん』来たの そうよね地球のビジネスマンは空気読んでる余裕なんて無いんだからね 働いて当たり前な人間社会を理解してきたじゃない 」

けたたましい大声がオフィスに響き渡った。

「これからみんなとなじんで、みんなと仲良くなって、しゃべれるようになればいいじゃない 道は自分で切り開いていくものだから。努力 行動に移すんだよ でも人が受け入れてくれる効果的なやり方じゃなくちゃ駄目

やっとしゃべりの途切れ目が来た。『お花レモンちゃん』は口を開いた。

「あの、もしかして、プリッコさんですか 昨日はお気遣いをありがとうございました。」

顔かたちはたしかに成人女性のそれなのに、形容しがたい髪色に、下瞼がキラキラしている少女のようなメイクの女子に、『お花レモンちゃん』は頭を下げた。

プリッコはそれには答えず、話を続けた。

「わたしと『お花ちゃん』は、だいたい似ている仕事内容なのよ。技術者なの。特別だからあ、人手不足感はあるけど、要領のいい働き方は自分で見つけないと。でぇ、そういうのが出来るようになると、わたしは定時で帰れるようになったの。」

「はい。」

「はい、しかないの なにか察しないの

人形のように愛らしく作った表情から、一転して、プリッコの目つきは変わり、顔の皮膚が斜め上へ吊り上がっていった。

『お花レモンちゃん』の耳に、オフィス内から小声の会話が聞こえてきた。

「プリッコめ。10年は大人しかったのに。」

「また虫が騒いでるのか。植物星人のせいで 余分な仕……ハークション………事一切してないくせに調子いいわ

「……ハクション………腹立つわ


「もしかして、私がお休みいただいたことで、ご迷惑を掛けたんでしょうか。すみませんでした。ありがとうございました。」

『お花レモンちゃん』は頭を下げながら聞いた。

「呼ぶの疲れるの。『お花ちゃん』でいいわよね 文句ある あるんだー 悲しいわー あんた先輩がこういった時に返す言葉無いの 知的生命体のくせに 能力使わないの さぼる気 手抜きする気 人間ナメてる だから他の企業で雇ってもらえなかったんじゃないの 自分が原因作ったんだよ 自分が悪いんだよ わたしまくし立ててるように見えるでしょそんなつもり無いから だから今日1日かけて反省内容を考えて言葉にして言えるように。聞かせてもらいに来るからねじゃーね 」

オフィスの引き戸はバーンと音を立てて閉められた。

「おいうるせーんだよ

男性社員が、『お花レモンちゃん』に向かって大声を出した。

「………ハークション……メンヘラ怒らすんじゃ………ハークション……ねえよ こっちに関係無いんだよ ………ハークション……仕事の邪魔すんな てめぇへの苦情はてめぇ………ハークション……でなんとかしろやこの植物星人………ハークション……」

「すみませんでした。」

人間の言い分は全面的に肯定しながら働かなければならない。


植物星人だから。


植物星人だから。





オフィスの中で、年若い社員が隣の中年社員に小声で話しかけていた。

「それにしてもあのプリッコさんって人、すごいですね。なんでくしゃみ出ないんだろう。」

「アレルギーっていうのは、だれでも、なる可能性だけはあるけど、必ず全員なるとは限らないからな。」

「ものすごく丈夫な体質なんですね。」

「丈夫でもなんでもいーんだよ。どーでも。会社にとってはメンヘラをなんとかしてもらいたい。」

「そうなんですか 今までそんなに存在感無かったですから、知りませんでした。」

年若い社員の反対側に座っている社員が、話に入ってきた。

「お前、最近入って来たから知らねーべな。10年前は、ひどかったんだよ。そりゃもう業務に支障が出まくるわでムカついたんだ 後で話してやるか 昼に社食行くか





「……そんなにー

社員食堂。

若い男性社員は、『お花レモンちゃん』が来る前に、その担当職にいた社員の退職人数を聞いて、箸が止まっていた。

プリッコは、技術職として入社してから、直接の連携が必要な担当社員を筆頭に、目を付けた社員と次々にトラブルを起こし続けていた。

「いいから食べれ。まだ事件の数々あるから。話は長くなるから。」

中年男性社員たちが、いつの間にか3人集まって一緒に食べていた。

「いいから豚の生姜焼き食べなさい。午後も仕事あるんだから。なんなら、退勤してから、一杯やりながら続き聞かせてもいいし。」

「それだけ、事件がよりどりみどりなんだよなあ。思い出したくないけど思い出す。」

「せーっかく、ここ10年は婚活に執着してて、社内では静かになってたのに。………植物星人のせいだ。なんで人事は雇ったんだ

「あの仕事はオレらじゃやっぱり肩代わりできないもん。出来ても嫌だし。帰りたいし。」

若い男性社員は、そこでもう、うんざりした。

「メシは食べますけど、なんかお話はもうお腹いっぱいになる予感がしてきました………。」